大阪に着いたタイミングで今夜の約束がキャンセルに。一瞬がっくりしたものの、ゆとりの時間を与えられたと考えて、リラックスして過ごすことにしました。
おぐけんでも呼び出すかと思いましたが、世界一働き詰めの生活では急な誘いは迷惑だろうと勝手に決め込み、声すら掛けず。そこにふと目に入ったのが、ホテルロビーに置かれた、九州うまかもんフェアの案内や、山と積まれた九州各地のPR誌でした。
九州はあちこち廻りましたので、懐かしい地名がたくさんあり、パンフレットを見ているだけなのに、まるで旧友に再会したような気分に。今夜は九州の味を楽しむ以外にありません。
フェアメニューを見ると、自家製阿蘇高菜ピラフが美味しそう。早速レストラン「eu」に入りました。
この店、朝食でよく利用しますが、それ以外はほとんど入ったことがありません。それは、朝食の印象がよくないからです。
ブッフェ台に並ぶのは、ほとんどが業務用の出来あい惣菜。コーヒーも美味しくありませんし、それなりのホテルなのに完全セルフサービスというのも味気なく感じます。
そんな落ち着かない朝食がイヤで、このホテルそのものを避けることすらあります。でも、こうしてディナータイムに来てみると、印象ががらりと変わっていて驚きました。
テーブルには白いクロスが掛かり、キャンドルや布のナプキンを添えたセッティング。サービスにも落ち着いた物腰が感じられ、朝と同じ店とは思えないほどです。
いざメニューを眺めると、ライトミールからフルコースまでバラエティ豊か。オーガニック料理もあり、なかなか魅力的なラインナップです。
九州うまかもんフェアの料理はアラカルトだけなのかと思ったら、コースの中にもさりげなく盛り込まれていました。
その中から、ほぼフェア料理で構成された「ナチュール」コースをチョイス。アミューズから始まる6皿のコースです。
アミューズ「長崎産グリーンアスパラガスとパルメザンのロースト、バーニャカウダーアイス」。小さな一皿ですが、味は濃厚。
パンは2種類。バター、オリーブオイル、ミックススパイスのデュカ添え。
冷前菜「長崎産サザエと天使海老 宮崎産マンゴービネグレット、彩り豊かな根菜のプレスとハーブの香るジェノヴァ風ソース」。マンゴーの風味とガラスの皿が涼しげです。
温前菜「宮崎産釜揚げしらすと帆立貝柱の滑らかなフラン、フランボワーズビネガー風味」。フランはとても軽やか。細かく刻んだ野菜が入っており、その歯ごたえも楽しめます。
魚料理「熊本産イサキと香草バターのオーブン焼き、ソースブールブラン、ウイキョウのぺルノー酒風味を添えて」。クラシックな料理ながら、香草の爽やかな香りが心地よく、気に入りました。イサキの下の茄子も名わき役。
肉料理「牛フィレステーキ フォアグラ添え、グリーンペッパーソース、カボチャのモザイクに熊本ばってん茄子のマリネ」。モダンな盛り付けには、和のテイストも。
デザート「マンゴークリームの冷菓、フルーツとココナッツシャーベット添え」。控え目な量ながら、味は印象的。ただ、アミューズもそうでしたが、アイスクリームやシャーベットが硬過ぎ。氷菓にも適温がありますからね。
最後のコーヒーも、朝食の時とは一味も二味も違って感じられます。サービスも快適。リゾートでの夕食のようにくつろげました。