EKKIで感じる東京のど真ん中 フォーシーズンズホテル丸の内東京

久しぶりに都心での食事の誘い。稽古に専念すべきか、気分転換を図るか。天気もいいし、店も興味深いし、思い切って出掛けることにしました。待ち合わせはフォーシーズンズホテル丸の内東京。かれこれ10年ぶりの再訪です。

ここは東京駅前にありながら、隠れ家的な落ち着きのある小さなホテル。宴会場を持たないので、宿泊客とレストラン利用客以外が入ってくることはほとんどありません。

以前は7階にあったフロントレセプションが1階に移動。7階はレストラン・バー・ラウンジとスパのみのフロアになりました。

フロントがなくなった分、ラウンジが拡張。少し早く到着したので、ラウンジでルイボスティーを飲みながら、トレインウォッチング。

東京駅に次々と滑りこんでは去っていく列車の数に、改めて東京の躍動を感じます。まもなく修復が完成する煉瓦造りの駅舎も見えています。

レストランの正しい名称は「EKKI BAR & GRILL」。手前からラウンジ、バーカウンター、そして奥にダイニングというレイアウトになっています。

開業当時はかしこまった形態でしたが、洗練度はそのままにカジュアルでクールな趣きになりました。

ダイニングでのディナーは17時30分より。ラウンジでお茶を飲んでいると、係が「お席の用意が整いました」と呼びに来てくれました。

メニューは3種類のコースとアラカルト。内容が決まっているコースと、メニューから料理を選べるプリフィクススタイルがあり、今回は4品をチョイスできるプリフィクスに。

前菜・スープから1皿、パスタ・魚料理から1皿、肉料理から1皿、そしてデザート3種類から1皿を選びます。肉が苦手な方が一緒だったのですが、それを係に告げると、肉料理の代わりに魚料理を選ばせてくれました。

アミューズはアボカドのカナッペ。タケノコに次いで嫌いなアボカドですが、気合いで。

前菜はグリークサラダ。EKKIのイケメンシェフはギリシャ出身だとか。日本に来て弁当箱を見た時にインスピレーションを受けて、このサラダを思いついたそうです。

ギリシャ風サラダの素材が3段重で運ばれ、好みで混ぜ合わせたり、それぞれの素材を味わったり、思い思いに楽しめるサラダです。

ポルチーニ茸のリゾット。濃厚な風味が印象的。ポーションもしっかりしています。

メインディッシュは仔牛をチョイス。運ばれた瞬間、そのボリューム感にワクワクします。低温ローストでじっくりと火を通し、骨つきのままで提供。ワイルドでグリルレストランらしい一皿です。

デザートはいちごのパンナコッタを選びました。ジンジャーのソルベが添えられ、とても爽やか。食後にはコーヒーと小菓子が付きます。

実のところ、この店ではあまりいい思い出がありません。ツンとすましたサービススタイルで、その割に気が利かないという印象しか残っていないのです。

でも、今回受けたサービスはとても快適でした。係はにこやかですし、とても人間味に溢れています。美味しいと伝えると心から喜んでくれましたし、飲みものの注ぎ足しやコーヒーのお代わりなどにも、常に注意を払っていました。

この日のダイニングは閑散としていましたが、バーカウンターやラウンジは、外国人たちやミーティングをするビジネスマンでかなり賑わっていたので、その理由を考えてみたり。静かなのは好都合ですが、もう少し活気がある方が、このダイニングには似合うような気がします。

食事を始めた時は明るかった店内も、次第に日が暮れ、デザートの頃には夜景に包まれる感じに。大きな窓から見えるのは、ああ、東京のど真ん中にいるんだなと実感できる景色です。楽しいディナーでした。