空飛ぶ茶菓子

久しぶりにオーディオのスイッチを入れました。スピーカーから流れてくるのは音楽ではなく、波や熱帯雨林で採取したという自然の息吹たち。スコアリーディングのお伴は、このサウンドと見た目美しい茶菓子です。

窓際にあるピアノフィニッシュのテーブルに、奈良で買い求めた魚型の菓子を並べてみました。テーブルにちょうど空が映り込み、まるで菓子の魚が空を飛んでいるように見えます。

スコアを読みながら、心に浮かぶのはフランスの美しい音楽。水彩のような色彩感に、空飛ぶ茶菓子が重なります。そうだ、吉野で買い求めた葛菓子も並べてみましょう。

包装を開けると、捨てるにはもったいないような上品な箱。その箱を包んだ吉野和紙もまた、なんともいえない手触りです。そっと和紙を外して、しっかりとした箱を開くと、ひとつひとつ丁寧に包まれた葛菓子。

こちらも空に浮かべてみました。雲にも負けないやさしい口どけ。深くもさりげない甘さ。こんな風に音楽を表現できたら素敵だろうなと思いながら味わいました。