コンクール前夜のように

長い時間、ずっと楽器に向かって弾き続けていたら、いつの間にか夜が明けようとしています。この時間、東の空に細い月と金星が、浜辺の貝殻のような美しさ。しばらくしたら羽田空港経由で香川へ出発です。

長時間の稽古は苦になりませんが、弾けば弾くほど、もっとこうしたいああしたいと欲が出て、どんどん深みにはまっていく感じです。

香川では18日のコンサートで私もゲスト演奏をします。若者たちのコンサートですので、リハーサル時間は可能な限り若者に弾かせてやりたいもの。そうすると、私が次に鍵盤に触れるのは、その本番かもしれません。

50時間以上も鍵盤から離れたまま、いきなり難曲を演奏するのはリスキーですが、今回はその覚悟と準備をして出発します。

そう思うと、まるでコンクール前夜のように気分が高揚し、弾くことに夢中でした。その効果が約58時間持続すればいいのですが・・・

香川に着けば、若者たちからよりよい演奏を引き出すために全力を注ぎますが、さてどんな仕上がりなのか、ワクワクドキドキです。

代表選手の監督をし、競技後に監督自らエキシビジョンを披露するような心境ですが、ご来場のお客様に楽しいひとときをお届けすることを目指したいと思います。