NON-STOP

和歌山でのコンサートを終えた翌日は、同じく和歌山で特別レッスン第1期生の今期最後の個人レッスンでした。来週は修了コンサート。一年の成果を披露するため、少しも気を抜かずに熱い稽古が続きます。

振りかえってみると、1日2回のコンサートが、これほどの消耗を感じさせるとは、正直驚きでした。以前なら、1日3回でもへっちゃらだったのに。体力が低下したのでしょうか。はたまた、集中力の限界が訪れたのでしょうか。

どうやら、そうではないようです。これまでより、音楽に深い思い入れを注ぐようになったことで、同じ曲を演奏するにも、一層のエネルギーが必要になったのです。

むしろ、以前の方が思いに任せて勢いで押し切るように演奏していましたが、今ではバランス感覚を大切にしつつ、一切の無駄を排除した動作を心掛けており、この先も、どこまでも繊細で、隅々にまで行き届いた演奏を目指していくつもりです。

稽古では、教え子たちにも同様のクオリティを求めています。子供だから、経験が浅いからと容赦はしません。かといって、それがすぐに実現できないからといって、苛立つこともなければ、叱責もしません。

いつか手に入れなければならないテクニックや精神性は、今日から直ちに目標とするべきですから。

今日私が求めたことがすぐに理解できないとしても、10年、20年後には、私が求めたことの意味をはっきりとわかってくれると信じていれば、いつかものになってくれるでしょう。

コンサートでボロボロになった私は、日曜日の終日の稽古を最後まで務められるか不安でした。でも、子どもたちの体当たりの演奏を目の前にすると、不思議と枯れ果てた私の中からでもパワーが湧きあがってきます。

レッスンを終え、大阪に向かう電車に乗った頃には放心状態。大阪のホテルにうつろなままチェックインしましたが、馴染みのホテルでなければ、投宿拒否されていたかもしれません。

すぐさまベッドに横たわり、朝まで静かに過ごしました。そしてまたすぐに大阪でのレッスンへ。枯れては甦り、折れては立ち上がりの繰り返しです。でも、だからこそ毎日が新しい命のような感覚になれます。