新潟カルメン最終日

昨日が初日だったカルメンは早くも最終日。始まるまでは気の遠くなるような日々ですが、ひとたび幕が上がれば、一瞬の間に終わってしまいます。毎度のことながら、やっと調子が出て、これからという時には終幕です。

今朝も8時には会場入り。すぐにカルメンを弾くべきですが、せんくらのこともカルメン同様大切。まずは明日のソロを指の準備運動を兼ねて弾きました。誰もいないホールで大音量を奏でるのは気持ちのいいものです。でも、やっぱりカルメンが頭の大部分を占めており、何を弾いても気持ちが入りません。弾けば弾くほど逆効果かも。素直にカルメンに戻ります。

1回目は午前10時の開演。弾く方はまだしも、歌い手にとって午前中はたいへんです。それぞれにウォーミングアップをして、本番に備えました。今日も礼儀正しい中学生たちが大勢集まっています。初めてのオペラをどんな風に感じるのでしょう。

本番中に客席の様子を見てみたいと思っていたのですが、演奏が始まってからはまったく余裕がありません。せっかく舞台をほぼ正面に見る特等席で弾いているのに、舞台の様子すら見られませんでした。

演奏中は指揮者、楽譜、鍵盤、プログラムチェンジの画面など、目が8個は欲しいくらい、常に多方面に注意を払う必要があります。加えて自分で譜めくりをしているので、時折バランスを崩してしまいました。演奏中にいくつかの細かい事故がありましたが、原因はすべて譜めくり時。次にチャンスがある時は、譜めくり係を頼むことにします。

いよいよ最終回。午後2時10分の開演です。昨日の午前中から延べ4回上演しましたが、回を重ねるごとに質が上がっていきました。音楽的にも、合わせることより表現に気持ちが向くようになり、出演者全員が同じ音楽の船に揺られながら旅している感覚でしょうか。

終演後は、心地よい余韻を満喫する間もなく急いで楽屋を片付け、共演者やスタッフに挨拶も出来ないまま、会場を後にして新潟駅へと急ぎました。

そして新幹線を乗り継いで仙台へ。さて、気持ちをせんくらにスイッチ。明日からの5ステージに全力投球します。