雨の日曜日、満席の飛行機で大阪から東京へ戻り、夕食の約束がある横浜へと急ぎました。旅に傘は持参しませんが、幸い、私が歩くところだけは雨が降らずラッキーです。
今夜のディナーはインターコンチネンタルのイタリア料理「ラ ヴェラ」。開業当時はブルーを基調としたリゾート風の明るい内装とベイサイドの眺めが印象的でしたが、今ではどこにでもあるインテリアに「万葉の湯ビュー」。昔はよかったなぁなんて思ってしまいます。
でも、食事の楽しさはむしろ今の方がよくなったような気がします。ランチタイムはブッフェで気ままに。ディナーはコースやアラカルトでムードを感じながら。陽気で軽やかなサービススタイルも好感が持てます。
ディナーコースは3種類。6,000円から11,000円と手ごろ。コースなら流れや分量が安心ですが、この店はぜひアラカルトで楽しむことをお勧めします。その方がバラエティに富んだ楽しみ方ができますし、実際、値段的にもお得かも。
まずは前菜、バーニャカウダ。南国のフルーツプレートにも負けない色鮮やかな野菜たちが、真っ白な皿の上にモダンアートのような感じで盛られてきます。しっかりとした歯ごたえ、野菜の刺激的な風味から甘みまで、刻々と変化する味わいを楽しめます。
季節のアラカルトより、フォアグラとポルチーニを使った秋のタリアテッレ。1人前を半分に取り分けてくれました。濃厚な味わいかと思いきや、さっぱりとしています。ポルチーニのリッチな香りにくらくら。
マーケット直送の鮮魚をワゴンから選んで、好みの調理法で仕上げてもらえるのも、この店の醍醐味のひとつ。プライスはその日のマーケット次第ですが、かなりお得です。アオリイカをフリットにしてもらいました。1,600円。
こちらは鯛。もちろんアクアパッツァで。キッチンから運ばれると、給仕が目の前で丁寧に取り分けてくれます。その見事な手さばきに見とれてしまいました。
取り分けられたのがこちらの皿。仕上げにスープをたっぷりと掛けて。骨は一本も残っていませんでした。さすが。1匹で3,500円。
仔羊の藁焼き。ローストビーフみたいな感じで、中までやわらかく火が通っているので、ふっくらした仕上がりです。こちらの量で3,400円。ふたりで分ければ一人分1,700円ですが、仮に3,000円以上でもじゅうぶん納得の味でした。
最後はさっぱりとマチェドニア。フルーツの状態がよく、ひと粒ごとがどれも美味しかったです。丁寧にいい料理を出していることがよくわかります。
美味しい料理でお腹いっぱい。なんという幸せ。窓際の席は景色が楽しめるので人気のようですが、照明がかなり暗め。私は内側の席の方が明るくて好きです。その内側席から、窓際で仲よさそうに楽しんでいるカップルを見ると、なんだか嬉しくなったりもします。