19年目に向けて

ツァオレイとにっほん丸を降りてから1週間。下船後も香川、東京と演奏会が続き、2012年秋のコンサートシーズンのクライマックスを、存分に楽しみながら成功させることができました。この勢いで残りのシーズンも進んでいきたいと思います。

時が経つスピードが年々速まっているような気がするのは、私だけではないでしょう。つい先日が春先だったような気がしますし、今年ももうわずかだなんて、キツネにつままれたような感じです。

シーズン中で演奏会が続く時は、この時間感覚が一層狂います。この1週間がまるで1ヶ月以上あったかのようで、去年の経験と先週の出来事が綯い交ぜになっています。

時間。それは私にとって最も大切なものです。神田将との待ち合わせで5分遅れたら、向こう10年は口を利いてもらえないというウワサは、あながち間違いでもありません。まあ、それは私が演奏準備に追われて極度に切羽詰まっている時の話ですが。

そんな状態の時は、1秒をも無駄にしまいと楽器にしがみついて稽古しています。かと思えば、飛行機が5時間遅れても、待ち時間が苦にならない時も。時間感覚とは身勝手なものです。

さて、ここ2日間ほどは穏やかな時間を過ごしました。マイペースでの稽古時間をメインに、連日、母たちとのリラックスしたディナー。私が最も自分を自分だと実感できる時間です。

そんなおおらかな時間の中で、将来のビジョンを思い描けるのは、とても幸せ。次々と決まる来年のステージに向け、新たな目標を立てて、その実現に必要な計画を練っています。

来年は演奏家として活動を始めてから19年になります。20周年の節目まであと1年。チャレンジを重ね、より深い音楽を表現できるよう、力をつける1年にしようと思います。

ただいま、新潟に向かう道中。今夜は前橋に投宿です。初めての群馬ロイヤルホテル。とても立派な建築で、良き時代のグランドホテルを思わせる落ち着いた客室や丁寧なサービスが気に入りました。