リトルコンサートに寄せて

本日、新潟県村上市でピアノのリトルコンサートが開催されます。出演するのは私ではなく、みどりピアノルームに通う総勢45人の皆さん。応援に駆け付けたいところですが、それも叶わず、プログラムだけ分けてもらいました。

みどりピアノルームのみどり先生は、新潟と東京を毎週のように往復しながら、3か所のレッスン会場で約50名の生徒さんに指導しているかたわら、私の後援会の事務局長を長く務めてくれているスーパーウーマンです。

何度か生徒さんの演奏を聞かせてもらいましたが、皆さん先生に似てとてもまっすぐ音楽と向き合っているのが感じられました。

毎年1回の発表会は、タイトルをリトルコンサートとして開催。ひとりひとりが主役だという気持ちで名付けたそうです。

生徒さんたちは、この日のために1年間掛けて精一杯曲を温めてきたことでしょう。1年の努力がほんの数分で終わってしまうと思うと味気ない気もしますが、その演奏は永遠に記憶に残ります。

45名が演奏するとなれば、上演時間はとても長くなり、やもすれば流れ作業になりがち。でも、みどり先生はひとりひとりの時間を丁寧に扱い、主役の時間を思い出に刻む手助けをしているのです。

手作りのプログラムは20ページにも及び、演奏曲の紹介だけでなく、ひとりひとりのプロフィールが記載されています。本人たちの励みになればと願って記載しているそうですが、1年の成長が本人にもお客様にも理解でき、とてもいいアイデアだと思いました。

発表会は腕自慢の場所ではありません。それぞれが前回の自分を振り返って、どれだけ成長したかを感じることが大切です。生徒の成長が見えるレッスンと、それを親御さんにも理解できる形で示すことは、音楽を教える者の責任ですが、みどり先生はそれを見事に果たしています。

出演の皆さんは、本番を控えてさまざまな思いでいることでしょう。ピアノは稽古した分だけ必ず上達します。ぜひ一日の演奏会を楽しんでほしいものです。

そんな出演者の皆さんの気持ちを想像していたら、私もまた初心を思い出すことができました。発表会が何よりの楽しみだった私。本番の前日には「ああ、もう明日には終わっちゃう」と落胆していたほどですが、今もほとんど変わらぬ気持ちですべての本番を楽しんでいます。

それでは、みどりピアノルームリトルコンサートの成功を願って、ひとりシャンパンで乾杯です。