すでにシンガポールから帰国し、和歌山でのレッスンを終えてホテルにチェックインしたところです。温度に鈍感な私ですが、今夜はさすがに寒い!カゼがぶりかえさないように注意しながら、常夏のシンガポールを思い出しています。
シンガポール最終日の午前中は、素晴らしい天気に恵まれました。ずっと雨や曇りでしたし、体調のこともあってプールはおあずけでしたが、最後に思い切り水しぶきをあげることができて大満足です。
チェックアウトしてからフライトまでは、まだ約14時間の余裕。一度ホテルに荷物を預けて、散策に出掛けることにしました。まずはフォートカニングパークからほど近い、シンガポールナショナルミュージアムへ。
白亜の旧館とガラス張りの新館とが、クラシカルとモダンの対極を見せる外観。それにに象徴されるように、シンガポールの歴史と文化をモダンな感覚でわかりやすく伝えてくれる博物館です。
博物館の庭はフォートカニングパークとつながっており、展示から学んだシンガポールの歩みをそのまま公園で体感できます。屋外でも、ご覧のようなかわいいオブジェや、現代的なアート作品が楽しめます。
博物館の次は、一番のおめあてであるガーデンズ・バイ・ザ・ベイへ。次々と新しいスポットがオープンするシンガポールでも、今年最大の話題になったのがこの巨大植物園です。
晴天にも恵まれ、なんとラッキーと思ったのも束の間。みるみるうちに雲ゆきがあやしくなり、あっという間にシャワー。
すぐに上がるかと思いきや、4時間も雨宿りしました。でも、雨宿りしたのがマリーナベイサンズでしたので、退屈とは無縁。さまざまなショップやカジノを見物しつつも、使ったお金は1杯1.8シンガポールドルのコーヒー代のみ。経済的です。
午後6時になってやっと雨が上がり、いざガーデンズ・バイ・ザ・ベイに出発。マリーナベイサンズからは、タワーの真下を貫くブリッジでアクセスできます。
ブリッジの向こうに見えてくるのは、肥沃な川を思わせるラグーンと、果てしなく広がるかのような森。そこに不思議な外観の人口ツリーや巨大な貝殻のような温室が見え、未来にタイムスリップしたか、はたまたどこか別の星に降り立った気分になります。
驚きなのは、この広大なガーデンは一部施設を除いて入場無料。有機的に廻らされた遊歩道には、インドや中国などの地域をテーマにしたガーデンがあり、無料エリアだけでも一日中楽しめます。
でも、圧巻は有料施設の巨大温室。28シンガポールドルもの入場料が必要で、入るまでは温室に約二千円は高いなと思っていましたが、足を踏み入れてビックリ。想像を絶するスケール感に身震いしました。
雨上がりで入場客が少ないことも幸いしました。これほどの空間とディスプレイを、わずかな人数で楽しめるなんて最高です。ところが、私には次の約束があり、わずか40分でふたつの巨大温室を歩かなければなりません。
本来なら、展示や説明をひとつずつ丁寧に鑑賞したいのですが、今回ばかりは直感的に流して歩くしかなく、ディテールまでは目が届かないかも。
温室というのは、外気よりも暖かくしてあるというイメージですが、ここシンガポールではむしろ外気より温度を下げて、熱帯以外に育つ植物を多く展示しています。温室の中は、ひんやりして春先の高原のよう。
人気はバラのエリア。次いでユリのエリア。これだけのユリが咲いていると、むせかえるほど甘い香りです。
カスミソウの畑では、ペンギンたちのオブジェがマフラーをしています。クリスマスツリーも見事でした。
もうひとつの温室はもっとビックリ。エントランスから中に進むと、まずは巨大な滝があって、水しぶきで服が濡れるほど。滝の前にいる少年たちと比べると、その大きさがわかりますよね。
滝のある山には、エレベータで上がります。最上階にはロストワールドと名のついたガーデンがあり、珍しい植物たちが神秘的な雰囲気を醸しています。そこから山を取り巻く遊歩道で雲の中を歩きながら、次第に山のふもとへ。高所恐怖症にはキツイほどスリリング。
このド迫力で植物の世界を体感した後には、地球温暖化などの環境をテーマにした展示や映像を見るように順路が設定されており、環境を守ることの大切さがしみじみと伝わります。
今回は短時間にごく一部分しか見ることができませんでしたので、また改めてゆっくりと訪ねることにします。このスケール感は、写真ではまったく伝えられません。皆さんもぜひ体験してみて下さい。