先週末は関西でのレッスンでした。子どもたちに会うのを毎回楽しみにしていますが、ピリピリしたコンクールシーズンとは違って、ニュートラルでリラックスした姿が見られるのが、今の時期ならではの喜びです。
上の写真は2011年から2012年に掛けて開催されたエレファントパレードシンガポールのミニチュアフィギュアのひとつ。もう入手できないと思っていたところ、チャンギ空港で見つけて購入しました。旅の最中に荷物が増ないよう、ふだんは何も買わないのですが、これだけは例外です。
さて、今の時期のレッスンのことですが、とてものんびりとした雰囲気でのびのびと進めています。すでにプロ意識に目覚めつつある一部の生徒にはまったく稽古を付けずに、「好きに弾けば?」と放任。そういう時期も必要です。
実は、この時期のレッスン過程が、後々に大きくものを言うのです。ここでボタンを掛け違うと、伸びるものも伸びず、せっかくの才能を無駄にしてしまうかもしれません。
コンクールシーズンが近づくにつれ、エントリー作品の仕上げに集中せざるを得ず、どうしても稽古内容が偏ってしまいます。その偏りを矯正できるのは、オフシーズンの今しかありません。
私が見ている受講生の中にも、極めて高度な作品を見事に演奏できるのに、シンプルな曲で人の心を射抜くことが出来ない人がたくさんいますが、それでは本当の音楽性が育まれているとは言えないと思います。
受講生もその担当講師も、いち早く次のコンクールに向けて準備を始めたいところでしょうけれど、私は今こそ苦手を克服したり、抜け落ちた基礎力に目を向けるための時間にしたいと考えています。
子どもたちには酷ですが、面白くもない基礎練習や、妙な癖のついた姿勢の矯正、初見力の向上、集中力を高めるために負荷をかけるなど、ひとりひとりに合わせて、さまざまな取り組みをしています。
その成果はたちまち見えるものではありませんが、必ず効果が表れて来ます。前期は精神的にも飛躍し、人前で弾く度に自信を深めている様子。今期は勢いだけでなく、ディテールにも意識が通うなめらかな演奏を目指します。