誰もいないビーチで過ごした束の間。サンセットまで眺めていようかと思いながらも、待たせているタクシードライバーを心配させてもいけないので、自分自身の長い影を見つめながら車へと戻りました。
日が暮れたら夕食です。今夜は日本料理「真南風」へ。ずっと洋食か中国料理が続いていたので、和食は久しぶり。今は「真南風」という名前ですが、このホテルがテラスになる前は「うえのや」でした。料亭の味を受け継ぐ沖縄の名店として知られた「うえのや」。変わったのは名前だけで、店に一歩入れば以前と変わらぬ時間が待っています。
近ごろでは、日本料理店もモダンな内装が多くなりました。でも、この店は伝統的な数寄屋造り。リージェント沖縄として開業した当時のままの雰囲気で、落ち着いた風情があります。
さて、何を食べましょう。懐石料理もいいし、寿司も魅力的。そうだ、寿司懐石なら、一石二鳥です。
前菜三種。
造り。
焼き物。
煮物。
握り寿司。
水菓子。
何も考えないで、心穏やかにゆっくりと箸を運ぶ時間。こうして日本で落ち着いて夕食を楽しむのも久しぶりです。板前の技が光る料理には、さりげなく沖縄の思いが刻まれています。
続きは新しくできたバー「ノベンバー」で。アプローチには、戦前戦後の貴重な写真たちが額に収められており、見ごたえがあります。
店内は照明を抑えたムードのある雰囲気で、スコッチやシガーが似合うライブラリーという趣き。開放感を求めるなら、プールサイドのアウトドアテラスがいい感じ。
私はバーカウンターを見渡せる奥のソファー席に座り、竹鶴21年を。小樽にほど近い余市、そして仙台市青葉区にありながら緑に囲まれた宮城峡。私の音楽を育んでくれたゆかりの土地の魂がギュッと詰まった一杯に、身も心も酔いました。
この週末はクリスマス。いつも応援してくれる皆さんに想いを馳せながら、温かい気持ちで過ごします。