クリスマスのディナーは広尾のレストランひらまつへ。ずいぶんとご無沙汰です。ため息の出るような料理は、すっかり変わってしまったでしょうか。優雅で粋なサービスは今も健在でしょうか。そして、何年も足が遠のいていた私を、どのように迎えてくれるのでしょうか。
場所は広尾駅前の交差点からすぐ。こんなところに住みたいなと思わせる洒落た街並みの中でも、ひらまつはひときわエレガントに見えます。1階は画廊を兼ねており、知的な女性レセプショニストたちが出迎えます。
その中には平松夫人の姿も。グランメゾンらしく上品に、そしてさりげなくフレンドリーに。マダムならではのもてなしが光ります。
2階はバーと個室があり、ダイニングホールは3階に。大理石の細い階段は、邸宅のような雰囲気。クラシカルな調度の中に、ささやかなクリスマスデコレーションが。季節の花々も見事です。
ダイニングホールは満席の賑わい。決して広くない空間ながら、美味しいものを求めてやってきた人たちで埋め尽くされたホールは、そこにいるだけで幸せになれそう。キャンドルとハロゲンの光がとても効果的。
献立はクリスマスのためのもの。内容は当日の楽しみにと、あえて聞いていませんでした。さて、どんな料理で楽しませてくれるのでしょう。
シャンパンとともにアミューズ・ブーシュ。チーズを練り込んだシュー、アオリイカとナス。
冷前菜はポワローのデリス アカシアの香るシャンパン風味。
温前菜はひらまつのスペシャリテ、鴨フォアグラのキャベツ包み トリュフのジューソース。
魚料理は帆立貝のポワレ トリュフと根セロリのロザス オマール海老のラビオリとほうれん草のソヴァージュ。
肉料理はゆっくりと火を通した鹿ロース肉 赤ワインのコルセ レタスをまとった森の恵みのフリカッセ ジュニパーベリーのパルフェと共に。
フルムダンベールのクレームとトリュフ。
マロンのビュッシュ・ド・ノエル。
コーヒー。
正統派のフランス料理でありながら、まったく古くありません。ポーションは控え目で、女性でも気兼ねなく楽しめるよう工夫されている感じ。サービスは以前より軽やかで楽しそう。まるで1週間ぶりかというほど、親しみのあるサービスでした。特別な日に、この店を選んで本当によかったです。