数あるマカオエンターエインメントパフォーマンスの中で絶大な人気を誇るThe House of Dancing Waterに招かれ、90分のショーを鑑賞。サーカス的な楽しさが主軸だろうと思っていたら、想像をはるかに超える美しさと芸術性に、時が経つのも忘れるほどに釘付けでした。
会場はマカオメガリゾートのひとつシティオブドリームスの常設劇場。ホワイエにはポップコーンやドリンクを扱う店も。
シアター内は円形のプールを中心に、それを取り囲むようにして客席が設けられています。プールの奥にもステージがあり、正面の席からなら、一層奥行きのあるスケール感を楽しめます。場内にはカメラの持ち込みOKで写真撮影は自由。ただしフラッシュと動画は禁止されています。
開演時間になると、広東語、北京語、英語での注意事項アナウンスがあり、すぐに場内の照明が落とされてショーが始まりました。ショーはストーリーに沿って展開。6人のキーパーソンを軸に、多くのパフォーマーが高難度の技とともに、迫真の演技をします。
静かな海に見立てられたプール。二胡(生演奏)が奏でる幻想的で穏やかな音楽の中、一艘の小舟を漕ぐ若い漁師が現れたかと思えば、嵐と共に底から帆船と屈強な男たちが出現。約20メートルの高さから水に飛び込む大迫力。
女性たちの息の合ったシンクロパフォーマンスも見応えたっぷり。照明や音楽にも大きな効果が感じられます。
旅人が出会ったのは、捕えられた王女。一度は救い出して、互いに心惹かれあいますが、ダークなやつらに引き裂かれ、王女はふたたび捕えられてしまいます。
プールは一瞬にして水のないフロアになったり、さまざまな噴水効果があったりと、劇場設備の多彩さにも驚きいっぱい。同じ空間にいながら、どんどん世界が変わっていきます。ド迫力もいいけれど、奥行きのある美しい景観が魅力的。
途中、ブランコやバイクショーなどのアクロバットパフォーマンスも次々と披露され、サーカスの興奮も味わえます。
一方、主要キャストたちの演技力からも目が離せません。とくに王女役と漁師役の中国人ふたりが際立って素晴らしく、そこにいるだけで目が向いてしまう天性のオーラの持ち主です。
ストーリーはいよいよクライマックス。旅人の愛と漁師の勇気がふたたび王女を救い出し、闇の女王は破れます。
ハッピーエンドとなったところで、グランドフィナーレ。溢れる水と光と音。それに負けていないのは、パフォーマーたちからほとばしる人間のパワー。
週に10回ペースで、年間500回。これほど高い集中力を必要とするステージを継続するのは、演者たちにとって体力的にも精神的にも相当の負担です。毎日同じことをするといっても、毎回いろいろなハプニングがあるはず。同じく舞台に立つ者として、心からの敬意を表します。