まだ仙台クラシックフェスティバルの会期中ですが、私は出番を終えたので、一足お先に帰京しました。今年は2公演のみの出演だったこともあり、例年のような追われる感覚ではなく、じっくりと腰を据えて演奏できたように思います。それぞれに特徴的な公演で、せんくららしさが光りました。でも、必死で準備してきたので、終わってしまうと寂しいものです。
0才からのコンサートには、今年もたくさんの子どもたちが駆けつけてくれました。演奏の途中でふと客席を見ると、小さな体に大きな瞳でこちらをじっと見つめてくれている姿が目に入ります。すると、よし、よい演奏を聞いてもらおうと、気合いが一段上がります。
演奏する側にとって0才からのコンサートの難しさは、子どもの持つ生理と音楽が要求する空気とのバランスをいかに保つかです。演奏時はどうしても周囲の影響を受けますが、子どもに終始静かに聞いてもらうわけにはいきませんので、下手をすると音楽で客席を制圧するようなアプローチになってしまいます。かと言って、こちらはこちら、客席は客席と割り切ってしまっては、音楽を共有するというライブ演奏の根本が揺らぎます。通常の演奏会とはまったく違う距離感とバランス。それを掴んでからは、とても楽しく演奏できるようになりました。
そして夕刻からは、いよいよ浅野祥さんとのセッション。せんくらの過密スケジュール内でのリハーサルは、セッティングと軽く流す程度の時間しかありませんので、腹をくくって本番を待ちます。満席の会場は、すでに期待で温まっています。定刻になり、浅野さんと共にステージへ。気分よく弾いていたら、あっという間に終演時間に。まだまだ弾き続けていたい気分でした。スタンダードナンバーのジャズアレンジに、民謡やオリジナルが加わった魅力的なプログラム。ぜひ再演のチャンスに期待します。
今日は和歌山へ行ってきます。