今日、10月2日から、仙台クラシックフェスティバルが開幕しました。10周年を迎えたこのフェスティバルにエレクトーン演奏家として参加できることを、たいへん誇らしく思います。
私の出番は明日の2公演のみですが、午前中の公演に備え、すでに仙台へ到着。ちょうど、今回が初共演となる三味線奏者の浅野祥さんが出演する公演があったので、応援を兼ねて聴いてきました。
打ち合わせやリハーサルで面識はありましたが、やはり舞台に立つ姿はまったく違って見えました。いつもの陽気で爽やかな青年はどこへやら、知性の香る凛々しい居ずまいに圧倒されます。ひとたび音楽が鳴れば、誰もが釘付けに。共演者も素晴らしく、会場はおおいに湧きました。
さあ、明日は私が彼を支える番です。ところが、今回は一筋縄では行きませんでした。なんと、プログラムは全曲がジャズと民謡の世界。私にはまったく未知の分野です。三味線とジャズも一見隔たりがあるような気がしますが、即興でセンスや技を提示するという点ではとても似ています。実際、浅野さんが演奏するジャズナンバーは、音色こそ三味線ですがなんら違和感がありません。
私の役割は、ドラムス、ベース、その他バッキングに、アドリブなんぞ少々。本来なら、これぞエレクトーンの得意技のはずですが、クラシック一筋の私にはその経験がありません。どんなに研究や稽古を重ねても、必要なリズム感や即興センスは、そう簡単に板につくはずもないのです。
でも、これはクラシックフェスティバル。ジャズフェスタではありません。クラシック演奏家の私が、ジャズのテイストを取り入れつつも、いつも通り神田将の持ち味で演奏するのがいいのではないか。そう言ってくれた友人に感謝です。さて、本番は如何相成りますでしょう。お楽しみに。
浅野さんとの共演に先駆け、午前中には0才からのコンサートで演奏します。弾き慣れた曲がほとんどなのに、なぜか弾くのが怖くなっています。これまたどうしたことでしょう。何かと変化の激しい今日この頃です。
8月と9月は、気持ちのいい演奏会ばかりでした。心尽しの歓待と温かいお客様が印象的な宍粟。エレガントな時間が流れるラパレット。子供たちと同じステージで弾いた宮井コンサート。荘厳な本堂に音楽が響いた寺コンサート。演奏会の度に歓びと意欲を与えてもらっています。
いつも、エレクトーンがそこに。