マカオのThe House of Dancing Waterに刺激され、ウォーターショーに興味を引かれる今日このごろ。ハノイでのメインイベントは水上人形劇です。ベトナム文化の香り高いショーは、旧市街に近い古びた劇場で上演されています。
場内は古い市民会館のような雰囲気の小さな空間。ふつうのホールと決定的に違うのは、ステージが池になっているところです。すだれ風の幕で前後に仕切られた池の脇には、縁側風のステージが設けられ、そこでは民族楽器の生演奏がおこなわれます。
レトロな色彩感が懐かしい照明の中で繰り広げられる人形劇は、独特の動きとテンポ感が、観る者の目を釘づけにします。客席はほぼ満席。お客の多くは欧米人です。
場内で撮影をするには、カメラの持ち込み料が必要。わずかな持ち込み料を支払いさえすれば、撮影自由という太っ腹。でも、立ちあがったり、フラッシュを使ったりと、純粋に鑑賞している人には大迷惑な状態でした。
私の興味のメインは音楽にあります。もちろん人形劇は楽しいですし、扱う人の高度な技術には脱帽。それでも、エキゾチックな音楽の魅力は、私にとっては最高の刺激です。旋律やリズムの中には、民族の特色や歴史の縮図が練り込まれているので、どんな書物よりもその国の文化を深く理解できます。
さまざまなテーマの演目披露されたのち、最後にはグランドフィナーレとして華やかなアンサンブルが繰り広げられます。そして人形を扱う人たちも顔を揃え、場内は最高潮の盛り上がりに。約50分のショーはあっという間でした。