欧風台所ラパレットへの小旅行

「久しぶりに食事でも」の誘いに、都心ではなく郊外の店をリクエストしたのは、くつろいだ時間を過ごしたかったから。都会の店は刺激的で、新しいインスピレーションが得られることもありますが、最近は「かえって疲れる」と感じるようになって来ました。

ラパレットには、思っていた通り、ゆったりとした空気が流れていました。聞こえてくるのは穏やかなピアノのCD。ホッと肩の荷を下ろしたような安らぎです。

親しいマネジャーとの会話も楽しみにしていましたが、どうやらたったひとりで給仕をしている様子。小さな店とはいえ、ひとりで行き届いたサービスをするのはたいへんです。

お客も次第に増え始め、暗くなる頃には、ほどほどテーブルが埋まりました。いざとなれば、席を立って給仕のヘルプをしようかと構えて見ていましたが、滞った気配もなく、どのテーブルも和やかでいい雰囲気です。

2週間ごとに変わるというメニュー。今夜は5皿+アミューズ、パン、食後の飲み物のセッココース。オードブル、メインディッシュ、デザートは、複数の品揃えからチョイスできます。

魚料理と肉料理が両方楽しめるフルコースは、どの皿もしっかりしたポーションがあり、食いしん坊でも満足できることでしょう。盛り付けも丁寧。もう20年も通っている店ですが、味に慣れて飽きるということはありません。

オーセンティックな料理とともに、テーブルの会話も大いに弾みました。まるで高原のオーベルジュを訪れているような心地よさ。都心から数十分のショートトリップながら、すっかりリフレッシュできました。

アミューズ
ズワイ蟹とアスパラのシャルロット仕立て
冷たいアサリのポタージュ ライム添え
イサキのベーコン巻きロースト ラタトュイユ添え
中央林間シチュー(牛ホホ肉のトマト赤ワイン煮)
紅茶のパルフェ
パン
コーヒー