音楽のたのしみを終えて

シリーズで開催している「音楽のたのしみ」サロンコンサートの春編、今回もステキなお客様が集まり、心地よいひとときとなりました。

場所という意味では、何ひとつ洒落た要素はなく、お客様には毎度ご不便をおかけしているにもかかわらず、皆さまとてもよい表情でお帰りになります。

知る人ぞ知る秘湯という感じでしょうか。質素な設備しかなくても、最高のお湯があればそれでいい。そんな温泉を音楽に置き換えたのが「音楽のたのしみ」なんだなと、お客様を見送りながらしみじみ思いました。

回を重ねるごとに私のわがままといいますか、こだわりが高じておりまして、会場となる東部センターの関係者の皆さまには、たいへんなご面倒をおかけしています。他の会場では決して許されないこと、仮にできたとしても大きな費用がかかることを、関係の皆さまが面白がって協力してくださるのが本当にありがたいです。

そして、快く手伝ってくれる弟子や音楽仲間の存在も大きく、私はたいへんな幸せ者です。

今日の演奏、前半は「春の声」に始まり、ベートーヴェンとチャイコフスキーを弾きました。途中はタブリエを締め、トレーを持ってテーブルを回り、お客様と歓談する楽しみもありました。その給仕姿のまま後半の演奏をしたのも、いい思い出です。

ノンストップで動き回った一日ですが、リサイタルで演奏予定のドヴォルザークに要る集中力はこんなものではありませんので、さらに気を引き締めて鍛錬を重ねなければ。

終演後はスタッフとお手伝いの皆さん、そして観客としてきてくれた松本昌子さんが、余ったいちごオムレットとシャンパン、さらにデコレーションケーキで誕生日前夜を祝ってくれました。なんと昌子さんのバースデーソング付きで!

こんなに素晴らしい一日でさえ完璧というわけにはいかないけれど、生きていればいいこともある。きっと!

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