信州への旅

冬の信州を訪ねました。これも旅のひとつですが、その目的は人の会うためです。

まずは軽井沢。駅前は人が多く賑やかですが、少し離れれば本当に静か。ノイズのない土地は、耳を澄ませても何も聞こえないというのが本当に幸せで、心が音楽で満たされた気分になれます。

この軽井沢に移り住んだバリトン歌手の崔宗宝さんが、毎年夏に開催している大きなコンサートに、私のエレクトーン演奏を加えてくださると連絡をいただき、早速、打ち合わせに出掛けました。

崔さんが住まいの一部を音楽サロンにして、時折ホームコンサートを開いていることは聞いていたのですが、それはきっとリビングルームに親しい人たちが集まって、せいぜい10人くらいで楽しむ会を想像していました。

ところが、崔さんの住まいは、まるで城。遠くに浅間山を望むサロンは40名を収容でき、グランドピアノと暖炉がシャレーの雰囲気を醸しているではありませんか。庭も広く、今の季節こそ雪景色ですが、夏にはきっと心地よい風が感じられることでしょう。

この庭ならエレクトーンコンサートにピッタリ!そう思って眺めていたら、崔さんから野外コンサートの提案があり、どんどんイメージが膨らみました。実現できたら本当に素敵だと思います。

メインのコンサートは大賀ホールにて。こちらも超大盛りの豪華ステージになりそうです。エレクトーンが大大大活躍するので、ぜひいろいろな方々に聞いてほしいと思います。詳細が決まり次第、お知らせいたします。

打ち合わせしながら、崔さん手作りの餃子に舌鼓。ああ、これぞ本場の味!そして懐かしい味!年に何度も中国に行っていた頃を思い出して胸いっぱいになりました。

軽井沢の次は上田へ。ここで会いたかったのは、和田龍酒造の和田澄夫社長です。和田社長とはもう長いお付き合いですが、年に何度もお目にかかれません。コンサートにはしばしばお越しくださっても、公演日はご挨拶くらいでゆっくりとお話しできないので、思い切ってリサイタルのチケットをお届けすると口実でお伺いすることにしました。

とはいえ、今はお酒造りの一番忙しい時期ですから、場合によってはお目に掛かれず、切符だけ託して失礼することもあるかと思っていたのですが、いつもの笑顔で大歓迎してくださり、懐の大きさに感激しました。

マネジャーの上田海斗が同行したこともあり、社長自ら酒蔵を案内しながら興味深い解説をしてくださり、改めて日本酒の魅力を肌で感じることができました。

見学の後、お店の一角で楽しく語らう時間は最高。音楽好きなゲストも加わり、笑っているうちに、あっという間に日が落ちました。また改めてゆっくり訪ねたいものです。

人情に触れる信州の旅は、深く心に刻まれました。私の演奏会のために遠く旅してくださる方々に、私が信州で感じたような満たされた気分をお届けできるよう、さらに精進したいと思います。

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