31年目の抱負

エレクトーン奏者として31年目の歩みが始まりました。

旧年は30周年の節目にあたり、とにかく気持ちを真っさらに、初心に還ることを意識して、すべての演奏機会とすべての出会いを特別なものと受け止めて活動してきました。

がむしゃらに突き進んでいた時に見落としていたことや、気づいていながらも後回しにしていたことに向き合っていたら、むしろ活動としては停滞し、スローペースな一年になりました。

コロナ後で周囲が勢いを取り戻し活気付いていく中で、取り残されるような気分にもなりましたが、私は少しも焦ることなく、息を整え、自分としっかり向き合いました。

そして改めて周囲を眺めた時、なんとも素晴らしい人々がそばにいてくれて、私に生きる意味を与えてくれていることに身震いしました。それは家族であり、チームであり、音楽仲間であり、お客様です。

これほど次々と稀代の名手と共演する機会を与えられるエレクトーン奏者は類を見ず、自分がいかに恵まれているかを痛感するとともに、エレクトーンそのもののイメージを背負っているという重責を思い知らされます。

このまま、やりたいことだけをして、自分の満足で終わっていいのだろうか。この頃はそんなことを考えています。

これまで演奏に専念するという理由で指導をおろそかにしてきたので、そろそろレッスンも始めようかと思うようになりました。

演奏活動は、これまで同様、どんなにささやかな会場でも、世界最高の音楽ホールでも、一意専心、品格のあるステージを届け続けてまいります。

現在、私の周囲はたいへん充実しています。右腕として支えてくれるマネジャーの上田海斗と、奏者でもあり私の耳ともなってくれる菊池玲那を筆頭に、公演で出逢った心強い仲間と、ファンを超えてサポートを名乗り出てくれる方々によって、限りない可能性とパワーを得ることができました。

こうした力を、よりよい公演づくりに集約し、音楽文化の発展に奉仕していく決意です。今後とも、神田将とチームメンバーをよろしくお願いいたします。

なお、神田将リサイタル2025は、5月3日にいつも通り東京文化会館小ホールにて開催いたします。

前回ご披露出来なかったドヴォルザーク作曲の交響曲第9番「新世界より」を、とことん悩んだ結果、やっぱり弾くなら今しかない!との思いで演奏する決心をしました。

すでに先行申し込みの受付をスタートしておりますので、お誘い合わせの上、ご来場賜りますよう、心よりお願い申しあげます。

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