10/20 宍粟第九

姫路滞在3日目。さすがに体力バッテリー残量が乏しくなり、午前中はホテルで休ませてもらい、名物アーモンドトーストでパワーチャージしてから、宍粟へと向かいました。

今年もやります、合唱団とエレクトーンによるガチンコ第九!

オケもいなけりゃ指揮もいない。お金のかかるところをバッサリ諦めて、声と独奏だけでしっかり向き合ってやってみようという大胆企画が、今や宍粟名物となっております。

今年の本番は10月20日でして、そのリハーサルを9月14日にやるというわけで、宍粟へと行ってまいりました。コスモスが日差しの中で揺れる音さえ聞こえてくる穏やかな環境は、とても懐かしい気持ちにさせてくれます。

会議室に皆でエレクトーンをヨイショと運んで、神田先生歓迎の横断幕が「それ右が下がっとる、いやいや、もうちょい寄せなあ」と、着々と準備が進み、リハーサル会場が完成。体操をして声出して、ほな、あとよろしくとバトンを渡されます。

そしたらまずリメンバー歌ってみましょうか、と前奏を弾き始めると、さっきまで普通の町民だった皆さんが、一生懸命に歌うわけです。正直、上手いというにはまだまだ足りません。でも、なんかこう素朴さというか、ひたむきさに胸を打たれるんですね。

専門的なアドバイスではなく、どうやって心を開き、それを客席に向けていくかに絞って、あれこれ試しながら練習を進めたら、あっという間に2時間経ちます。こちらは、第九をほぼフルで弾きながらですから、ある意味、本棒付きで1か月前にオケ合わせやっているという贅沢さなんですね。ふつうオケ付きならゲネ本だけでしょうから。

ただ演奏さえすればいいなら、ゲネ本だけでじゅうぶんなので、こんなボロボロに疲れている時に現地まで行くなんてしないで、さっさと帰京します。なのに、やっぱり行っておこうじゃないかと思わせるだけの関係がすでに出来上がっているということでして、宍粟の方も本気で神田先生迎えて頑張りたいと考えているんです。

第九というのは本当に素晴らしい作品です。アマチュアさえも温かく抱き込んで、エレクトーンで弾いても最高の演奏効果を放ってくれるのですから。ぜひこの奇跡の第九を現地でお聞きいただけましたら幸いです。

第1部は神田将独奏が60分ございますので、そちらで入場料に値するだけの演奏をお約束します。第2部の第九は、本来であれば無料にてお聞きいただくべきなのかもしれませんが、私も手ぶらでは帰れませんので、ご理解ご支援のほどよろしくお願いいたします。失礼いたしました。

写真:上田海斗