第45回霧島国際音楽祭(1)

7月19日から8月4日までの間、鹿児島県内で36公演が組まれている第45回霧島国際音楽祭。うち、5公演にエレクトーンが登場し、無事に役目を果たして一足先に鹿児島を後にしました。ここでそれぞれの公演を順に振り返ります。

最初の出番は7月19日の県民ふれあいコンサートin県庁。立派な県庁のロビー空間に特設ステージが組まれ、びっしりと椅子が並べられたら、あっという間にコンサート会場の出来上がり。開演時間が迫ると近隣の方々や昼休み中の職員の皆さんで席が埋まりました。音楽祭の開幕を告げるファーストステージに当たるので、メディアの取材も多く入り、華やいだ雰囲気に。

まずはエレクトーンソロで賑やかに開演。そしてソプラノの鷲尾麻衣さんが登場すると、客席はいよいよ湧き上がり、1曲目が歌い終わった時にはすでにカーテンコールのような拍手の嵐が巻き起こりました。

私はこうして共演の歌姫が喝采を浴びる様子を見るのが大好きです。もちろん大半は歌手自身が持つ実力の成果ですが、伴奏者が寄与する部分も少なからず加勢となっています。特に息がピタッと合って、納得のいくアンサンブルになった時の気分は最高です。

今回、鷲尾麻衣さんとは初共演。事前のリハーサルは都内で一度だけでしたが、その時から「初めてという気がしないよね」と意気投合。きっとうまくいくとは思っていたものの、それでも本番というのはやってみないとわからないもの。実際の本番1曲目がバッチリ決まった時は、ホールインワンの達成感でした。

最初で勢いをつかめば、続く曲目も波に乗ったまま進みます。客席の雰囲気がよく、麻衣さんとの掛け合いトークも盛り上がり、初日開幕公演は大成功だったと思います。

終演後は宿へ。私はちょっと体調に不安があり、少し休もうと思ったのですが、この後、夕方から「プチョヘンザ!クラシック」の初リハーサルが控えており、休んでいる場合ではないと奮起して、自己練習することにしました。

旅先でエレクトーンを練習するのはちょっとたいへんです。ホテルの一角に降ろしてヘッドホンで弾くということもよくありますが、この日は降ろして積んでの元気がありませんでした。

音楽教室の部屋を借りられたら一番いいのですけれど、私は部外者なので断られることがほとんどです。でも、ダメ元で十字屋に電話をしたら、貸してくれると言うではありませんか。もう嬉しくてすぐにホテルを飛び出して向かい、夢中で2時間ほど練習。これでリハーサルにも不安なく参加できます。あとは体力が持ってくれるのを願って、リハーサル会場へ乗り込みました。

つづく