レクイエム

6月16日は千葉ユンゲルハーモニー混声合唱団の演奏会に出演しました。

第九合唱団との共演は少なくとも年に一度以上は続いていますが、その他の合唱団から声が掛かることは稀で、これまで数えるほどの機会しかないこともあり、今回の共演をとても楽しみにしていました。

結成から43年という歴史と豊富な経験を持ち、開催したすべての演奏会に出演してきたという団員もいるとあって、アマチュア感がまったくなく、明らかに趣味の域を超えているユンゲルハーモニー。

果たして結束の固い団員と打ち解けることができるだろうか、エレクトーンだけが孤立してしまうのではないかと心配しましたが、長年の仲間のように温かく迎えていただきました。

少ない稽古でひとつにまとまったのは、指揮の山田茂先生の見事なリーダーシップがあってこそ。エレクトーンは初めてとおっしゃっていましたが、こちらの生理や事情を寛容に理解くださったので、無理や不自然をねじ込む必要がなく、とても弾きやすい環境でした。

また、会場を埋めるお客様の雰囲気が、くつろいだ中にも新鮮な体験にワクワクしている感じが溢れていて、エレクトーンがそこにも大きな貢献をしていたように思います。そして、神田将がフォーレをやるなら聞いてみたいとご来場のお客様がいらっしゃったのは奏者として大きな喜びです。

全員が歌うという国に招かれ、共に名曲を奏で過ごした束の間。本番を通じてやっと打ち解けたところで旅立ちの時。またあちこちさすらいながら、今日もみなが歌っている姿を思って、また会う日までご機嫌よう。

ユンゲルというには団員ひとり残らず人生のベテランですが、初心を忘れずに、歌うことが大好きだった若い頃と同じ気持ちで楽しんでいる姿は、まさしくユンゲル。音楽とともにある人生、とてもいいと思います。

神田将参加曲目
・フォーレ:マドリガル Op.35
・フォーレ:レクイエム Op.48
・アンコール フォーレ:ラシーヌ讃歌 Op.11