大ホールいっぱい

秋の行楽シーズンに入り、特にこの三連休はどちらを向いても笑顔と好奇心がいっぱいでしたが、私は3日4日と演奏会が続き、思い切りステージを楽しんで、それはそれは幸せでした。

文化の日は、深谷の音楽鑑賞団体「虹の音楽鑑賞会」の例会。会員の皆さまと、会から招待を受けた方々が会場を埋めてくださり、久しぶりに大ホールを鳴らす醍醐味を満喫させてもらいました。

出演者は私ひとりですから、お集まりの方々は私の演奏を聞くためだけに、行楽を諦めて会場に足を運んでくださったわけです。開演して舞台に進み、客席に向かって頭を下げる時、ふとそれが思い浮かび、是が非でもご満足いただきたいと一層気合が入りました。

第1部は映画音楽セレクション。客席もリラックスした様子で、映像のない映画館といった雰囲気に。とりわけヘンリーマンシーニの「ひまわり」を気に入っていただけたようで、しみじみとした反応がステージまでじわりと伝わってきました。休憩後は「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「展覧会の絵」の2作品。やはりラヴェルのオーケストレーションは大きな会場が似合います。

例会は会員の皆さま自身が運営しています。楽しみながら準備してくれている様子や、心の通ったもてなしに、演じる側も優しい気持ちに。ステージこそ独り占めですが、入館から退館までずっと支えてくれている、そんな安心感がありました。

虹の音楽鑑賞会、次回の例会は浅野祥さんもメンバーのMikage Project。この機会に会員が増えて、さらに盛り上がってくれることを願っています。