9月2日の東中野ライブClassical Weekendは、音楽会のようでもあり、プライベートなパーティのようでもあり、私にとってはこれまでにない初めての雰囲気を楽しんだ一夜でした。
演奏一点に集中することを第一義に組み立てるコンサートホールでの演奏会は、ある意味とてもシンプルです。場所がライブハウスになっても、基本的なことは変わらないと考えていましたが、実際に体験してみると、何から何まで新鮮で、終演後に米津さんと「ライブハウスでパフォーマンスする人たちってすごいね」と意見が一致。ライブハウスの魅力にハマりそうです。
特に今回の店ALT_SPEAKERは、ステージと客席の境がなく、一番近いお客様とはハイタッチできるほどの近さ。一番後ろにお座りだとしても、コンサートホールの最前列から見るとの距離は変わらないと思います。
当日は超満員でしたので、お客様にはいささか窮屈な思いをさせてしまったかもしれませんが、パフォーマンスエリアから見る客席の一体感は見事なもので、これから一緒に冒険に出る舟の漕ぎ手になったような気分に。お客様のお出迎えから、演奏、トークと続き、お客様をお見送りするまで、ずっと表に出ていましたので、いつしかまるで自分の店のような感覚になっていました。
本物の店長は、たくさんのオムライスを作り、配信や照明をコントロールし、まあそれはそれは大忙しに動いてくれていました。料理はある程度作り置きなのかと思いきや、白いご飯からチキンライスを作り、その都度新鮮な卵を割ってオムレツを焼いていました。その勤勉さに感服です。
演奏については、ソロは楽しくリラックスして弾けたのですが、ラフマニノフだけはそうはいきませんでした。2時間半も弾いたり喋ったりしているその延長にさらりと弾くには、まだまだ修行が足りないようです。
ライブハウスの基本は気配りです。コンサートホールでは、気配りするよりも、むしろちやほやと気を使われる側ですから、何もかも自らコントロールし、場の雰囲気を作りながらコンディションを作品にチューニングしなければならないライブハウスは、まさに別世界。破格の能力がないと、まともな演奏はできません。
そうとわかればチャレンジ精神がうずきますので、また企画したいと思います。