7月15日は上野公園の野外ステージで開催された「真夏の笑タイム」に出演。好田タクトさんのパフォーマンスをエレクトーン演奏で盛り上げました。
指揮者の形態模写で知られる好田タクトさん。その芸風には、おもしろ可笑しいところもあるのですが、真剣勝負のあまり、見入ってしまって笑うのを忘れることしばしば。今回も「展覧会の絵」を抜粋とはいえ20分、一貫してチェリビダッケ大先生になりきるものですから、付き合う方も見る方も、相当に腰を据えなければいけません。
出番は日が落ちてからでしたが、それでも真夏の屋外は汗の吹き出す暑さです。タクトさんは燕尾服を着て気合いじゅうぶん。私も、弾くからには手を抜けませんので、リサイタルと同じ集中力でのぞみます。その利点は、暑いの寒いのといったことはまったく気にならないところ。チェリビダッケ大先生のテンポ感や音楽性は、非常にスケールが大きい上に高精細ですので、雑念を振り払い、タクトさんをチェリビダッケ大先生だと信じ込んで弾きました。
途中、古城を弾いていると、ふんわりとやわらかい風が舞い込み、美しい光の筋が見えました。幻かと思っていたのですが、現実だったそうです。
この日は不覚にも体調が悪く、出番直前に会場入りし、弾いたら程なく失礼したため、リハーサルもサウンドチェックもなく、簡単に言うとベッドからステージに直行してベッドに戻るという感じの流れだったのですが、楽屋には出番を控えたベテラン芸人さんがいたので、ちゃっかり記念撮影してもらいました。皆さん明るくて元気。お客様が少なくても、テンション下げずにきっちり芸をやるところがさすが。学ぶことの多い催しでした。