日本で最も長い歴史を持つ音楽祭、「霧島国際音楽祭」にエレクトーンが登場します。
と言っても、末席も末席。なかなか本堂（みやまコンセール）には入れてもらえないのですが、まずは番付表に載っているというだけでも大いなる奇跡ですから、晴れ晴れしく務めを果たしつつ、まだこれからじわじわと攻めて行きます。
とにかく出演者の顔ぶれがすごい。すごすぎてパーティに呼ばれても事務局や送迎車で一緒になっても、すっかり顔が引きつって会話も成立しませんが、同じ空気を吸っているだけで幸せです。
稀代の名手たちが温泉場でくつろぎながら、鼻歌感覚で歴史的名演奏をする図は、都会のかしこまった公演とは別世界の味わいがあります。いわば、高原の美術館で観賞する名画の印象でしょうか。
そんな高貴なお集まりになぜエレクトーンかと言いますと、世間様に定着している「霧島はお上品すぎる」とのイメージを払拭するところに意味があると受け止めております。そのイメージは音楽祭をある一面からしか見なければ事実かもしれません。これほど上品な雰囲気を味わえるところはありませんので。
でも、クラシック音楽は人間性に基づいたものであり、奏でるのも人間、聞くのも人間と、極めて人間くさいものです。実際に見ていただければ、決して気取った催しではないことがわかります。夏祭りに出向く感覚で、演者たちの純粋な音楽魂に触れれば、きっとクラシック音楽を身近に感じることでしょう。
そこでエレクトーンの登場です。霧島国際音楽祭があらゆる方々に向けて音楽を発信する催しであり、風格の中にも親しみやすさを存分に湛えていることを周知するのが私の役目。音楽祭の開幕となる最初の小公演を、鹿児島県庁にてエレクトーンソロで飾ります。
そして週末は由緒正しき霧島神宮を舞台に、津軽三味線の若獅子、浅野祥さんと共に、かがり火煙る幻想の中、血の騒ぐようなリズムや悠久の調べを奏でます。
いずれも音楽祭から皆さまへの贈り物として、無料でご鑑賞いただけます。ご予約不要ですので、お気軽にお立ち寄りください。そして、私の演奏を入口に、ぜひ音楽祭全体をお楽しみいただければ幸いです。
第44回 霧島国際音楽祭 音楽監督：堤剛
2023 Kirishima International Music Festival
【音楽祭開幕！県民ふれあいコンサートin県庁】
2023年7月21日（金）開演12:15（45分） 無料
鹿児島県庁2階県民ホール
〈曲目〉
一柳慧：翔ぶが如く、吉俣良：篤姫、富貴晴美：西郷どん、エバン・コール：鎌倉殿の13人、A.L.ウェバー：オペラ座の怪人、ビゼー：歌劇「カルメン」前奏曲、プッチーニ：歌劇「トゥーランドット」誰も寝てはならぬ、ムソルグスキー：組曲「展覧会の絵」プロムナード〜バーバヤガー〜キエフの大きな門
出演 神田将（エレクトーン）
【霧島神宮かがり火コンサート】
津軽三味線とエレクトーンの音色に包まれる幻想のひと時
2023年7月22日（土） 開演19:30 （80分） 無料
霧島神宮
〈曲目〉
ハチャトゥリアン：バレエ「ガイーヌ」より 剣の舞、津軽じょんから節、大河ドラマ「西郷どん」テーマ、ほか
出演 浅野祥（津軽三味線） 神田将（エレクトーン）
荒天の場合は公演を中止することがあります
音楽祭全体の情報は☟
霧島国際音楽祭の紹介ビデオに一瞬だけ神田将が登場します（ほんとに一瞬）☟
Kirishima International Music Festival KAGOSHIMA PV (L)