宇部音鑑40周年記念コンサート「On-Kanカンタービレ」が盛大に開催されました。40年もの長きに渡り、地域の方々にさまざまなジャンルの音楽を届け続けて来た功績は大きく、宇部が芸術文化の街と言われる理由の一端を担っていることが、今回の記念コンサートの成功からも強く感じられました。
今回のコンサート内容は2019年の200回記念コンサートの進化版です。地元の宇部を中心に活躍する佐藤華純さん、公募で集まったコーラスチームの皆さん、そしてスペシャルゲストの中井智彦さんという顔ぶれは前回同様ですが、それだけにお互いを理解しているので、さらに突き詰めたことが実現できるというメリットがあります。
もちろんコーラスのひとりひとりが主役というコンセプトも同じ。中井智彦さんもそれをじゅうぶんに理解して、コーラスメンバーとともにあるという振る舞いを貫徹してくれました。そして、佐藤さんのリーダーシップは実に見事なもの。そしてリーダーを支えるメンバーの結束と思いやりもまた理想的で、類まれなチームワークです。
となれば私は何をする必要もなく、ただ演奏で音楽の流れを導けばいいだけです。舞台の中央で終始ライトを浴びながらも、どこか別の世界から出演者を見守るような感覚があり、アフターライフの一片を垣間見た気がします。
ステージ上は相当の熱量を帯びているにもかかわらず、私のところだけはゆっくりと穏やかに時間が過ぎてゆく。造り出したものが美しく実り、もう造り手を必要としない段階に到達したことに安らぎを感じていました。
音鑑の事務局長と車中の雑談の中で、「40年もやってると、もはやこれまでってこともあったでしょう」と尋ねると、ハンドルを握りながら「いやぁ、そりゃ何度もありましたよ」と。でも笑いながら細めた目に宿る光には信念があり、何があっても継続するという強固な意志を感じました。これなら50周年、100周年と更なる歴史を重ねていくことでしょう。
こうして私の10月は幕を閉じました。昨年の今頃は東京文化会館大ホールでのリサイタル。やはり今振り返るとあのリサイタルはいい転機でした。新しい出会い、新しいチャレンジ、新しい目標。せっかく道が開けて来たのにどんどん不器用になっていく自分を憐れむこともありますが、ゆっくり進んでまいります。
8月から10月の3ヶ月間は新編曲ラッシュでした。わずか11公演ながら、どれも濃厚な経験です。最後に11公演での演奏曲目を列挙します。
ラプソディ・イン・ブルー/ガーシュイン
歌劇「ポーギーとベス」より“サマータイム”/ガーシュイン(新編曲)
忘れな草/クルティス
ユー・レイズ・ミー・アップ/ラヴランド
亜麻色の髪の乙女/ドビュッシー
「ボードレールの5つの詩」より“露台”/ドビュッシー(新編曲)
月明かりの夢幻劇/デュティユー(新編曲)
歌劇「カルメン」より“前奏曲”/ビゼー
歌劇「蝶々夫人」より“ある晴れた日に”/プッチーニ
歌劇「蝶々夫人」より“花の二重唱”/プッチーニ
歌劇「サムソンとデリラ」より“あなたの声に私の心は開く”/サン=サーンス(新編曲)
いのちの歌(新編曲)
ヘンデル/オンブラマイフ(ホルン・エレクトーン版)
フランツ・シュトラウス/ノクターン(新編曲)
リヒャルト・シュトラウス/アンダンテ(新編曲)
フランツ・シュトラウス/ホルン協奏曲 (新編曲)
ドップラー/リギの思い出(新編曲)
ハチャトゥリアン/剣の舞
フォーレ/シシリエンヌ(フルート・エレクトーン版)
ヒューブラー/4本のホルンのための協奏曲(新編曲)
ラヴランド/ユーレイズミーアップ(ホルン・エレクトーン版 新編曲)
オペラ「トスカ」より フローリア・トスカへの自由許可書(新編曲)
オペラ「つばめ」より 僕が愛するとしたら…(新編曲)
オペラ「妖精ヴィッリ」より あの花の季節に何と言ったか覚えている?(新編曲)
オペラ「マノン・レスコー」より あなたなのね、愛しい人(新編曲)
オペラ「ラ・ボエーム」より 愛らしい乙女よ(新編曲)
オペラ「トゥーランドット」より この宮殿の中で
オペラ「西部の娘」より ミニーなんて素敵な名前だ(新編曲)
オペラ「外套」より ねえ、なぜルーアンで(新編曲)
オペラ「蝶々夫人」より 可愛がって下さいね
オペラ「トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ
バッハ/G線上のアリア
シューベルト/アヴェ・マリア
フォーレ/シシリエンヌ
サン=サーンス/組曲「動物の謝肉祭」より“白鳥”
ドビュッシー/月の光
スメタナ/交響詩「我が祖国」より“モルダウ”
一柳慧/翔ぶが如く 1990
服部隆之/新選組! 2004
吉俣良/篤姫 2008
佐藤直紀/龍馬伝 2010
坂本龍一/八重の桜 2013
川井憲次/花燃ゆ 2015
富貴晴美/西郷どん 2018
エバン・コール/鎌倉殿の13人 2022 (新編曲)
池辺晋一郎/独眼竜正宗 1987 (新編曲)
祥風(新編曲)
コーヒールンバ(新編曲)
スイングしなけりゃ意味がない(新編曲)
炭坑節(新編曲)
北千島女工節(新編曲)
剣の舞(三味線・エレクトーン版)
愛の讃歌(新編曲)
雪は降る(新編曲)
シェルブールの雨傘(新編曲)
ジュドゥヴ(新編曲)
ホーム
民衆の歌
夢やぶれて
星よ
ジョルダーノ/歌劇「アンドレアシェニエ」祖国の敵(新編曲)
ヴェルディ/歌劇「椿姫」プロヴァンスの海と陸
ビゼー/歌劇「カルメン」闘牛士の歌
オーバーチュア(オペラ座の怪人)
シンクオブミー(新編曲)
オペラ座の怪人(新編曲)
ミュージックオブザナイト(新編曲)
オールアイアスクオブユー
マスカレード(新編曲)
オーシャンゼリゼ(新編曲)
シベリウス/交響詩「フィンランディア」
マンシーニ/ひまわり
ピアソラ/ブエノスアイレスの秋
ヴィヴァルディ/協奏曲「四季」“冬” 第1楽章
日本古謡/さくら
スメタナ/交響詩「我が祖国」“モルダウ”
ベートーヴェン/交響曲第9番第4楽章
ホルスト/組曲「惑星」ジュピター
ヴィヴァルディ/協奏曲「四季」“冬” 第1楽章
ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」卵の殻を付けた雛の踊り
サン=サーンス/組曲「動物の謝肉祭」白鳥
ビゼー/「アルルの女」ファランドール
ブラームス/ハンガリー舞曲第5番
ハチャトゥリアン/剣の舞
大野雄二/ルパン三世のテーマ
ドリーブ:「コッペリア」ワルツ
フォーレ:シシリエンヌ
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
ビゼー:「アルルの女」ファランドール
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
プーランク:愛の小径
サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」“水族館”、“白鳥”、“フィナーレ“
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル-神田将編)
リメンバー
スメタナ/交響詩「我が祖国」“モルダウ”
マンシーニ/ひまわり
ヘンデル/歌劇「セルセ」懐かしい木陰
プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」私の愛しいお父様
グノー/歌劇「ファウスト」宝石の歌
サウンド・オブ・ミュージック
ドレミの歌
私のお気に入り
エーデルワイス
すべての山に登れ
愛の讃歌
サーカス/「詩人・中原中也の世界〜在りし日の歌〜」より
幻影/「詩人・中原中也の世界〜在りし日の歌〜」より
Somewhere/ミュージカル「ウエストサイド物語」より
Anthem/ミュージカル「CHESS」より(新編曲)
愛せぬならば/ミュージカル「美女と野獣」より
囚人の歌
一日の終わり
夢やぶれて
ホーム
民衆の歌
ワンデイモア(新編曲)