今回の宍粟第九コンサートには東京から両親も鑑賞のため同行しました。私が会場に詰める時間が長いため、その間のことが心配でしたが、姫路の方々が親切に対応してくださったおかげで、安心して演奏会に集中できました。両親は9年通っている私でさえ行ったことのない宍粟の見どころを車で案内してもらい大満足。温泉にも浸かり、音楽会も鑑賞。そして家族だけでの夕食のひとときも設けていただき、たいへん思い出深い旅になりました。
演奏会翌日、私は稽古の予定があったのですが、この日帰京する両親に付き合うため、半日時間を空けることに。どこか行きたいところはあるかと尋ねると、子どもの頃に時折連れて行かれた神戸のモロゾフ本店に行ってみたいとのこと。何と85年前に食べたプリンの味が忘れられないというのです。
まずは姫路の美味しい蕎麦屋で腹ごしらえをして、いざ神戸へ。神戸は私にとっても懐かしく特別な街。ここのところ立ち寄る機会がなかったので、センター街を歩くだけで心躍ります。お目当てのモロゾフ店内は大混雑。でもここまで来て引き返すわけにもいきません。行列大嫌いの私も辛抱強く待ってティーサロンに落ち着きました。注文したプリンが運ばれてくると、まるで子どものような表情になった89才。美味しい美味しいとご満悦でした。
その後、私が毎日のように眺めていた大好きな景色、急坂から見下ろす街並みを両親に見せようと彼の地へ向かいましたが、急に大粒の雨が降り出して下車を断念。代わりに車窓から異人館を眺めて、私は新神戸駅で下車。両親は空港へと向かいました。
新幹線で姫路へ戻るとともにいつもの単独行動に戻ったわけですが、今は少々寂しい気分です。姫路では28日に演奏会を開催してくれる文化堂へお邪魔して、エレクトーン部屋を借りて練習に励みました。宍粟と姫路は車で1時間ほど離れていますが、両方の演奏会のご来場くださるお客様もいらっしゃると思い、演奏曲目はまったく別のものを用意しています。
姫路では、第1部にフランスの作曲家によるよく知られた小品を集め、第2部に「展覧会の絵」(ラヴェル-神田編)全曲をおおくりします。展覧会の絵はラヴェルによる管弦楽編曲版が初演されてからちょうど100年が経ったばかり。このタイミングでお聞きいただけば、きっと特別な思い出になることと思います。ありがたいことに残席僅少と伺いました。文化堂は木曜日が定休ですので、もしご来場いただける場合には、26日までにお申込みください。