オーケストラの中に加わって、エレクトーンを弾く。ふだんエレクトーン1台のみでオーケストラを演奏することが多いので、多くの楽員とともにアンサンブルをする機会は、私には滅多になく、とても貴重です。
今回はご縁があって、中国と日本の合同オーケストラに参加して、中国の作品を演奏。本来はガラコンサートとして盛大に開催される予定でしたが、COVID 19の影響により、無観客での収録となりました。
情報が乏しく催しの全容がわからないまま、頼まれたことをしっかり準備して、指示された時間より早めに会場に着いたのですが、時すでにオーケストラ稽古が終わろうとしているところで、まるで私がすっぽかしたような格好に。エレクトーンもまだ到着していなかったので、ひとまず見学しながら様子をうかがいました。
この感覚、久しぶりです。中国での公演はいつもこんな感じだったのを思い出しました。とにかく現場で臨機応変に対処するしかないという、几帳面な人間には厳しい環境ですが、中国式ではこれが普通です。
催し全体では、歌あり民族舞踊ありポピュラーソングあり福原愛さんのコーナーありと、お正月の特番を思わせる賑わいと華やかさ。私もエレクトーンソロを1曲演奏させてもらいましたが、ひとりだけの地味なステージを映像で盛り上げてくれ、それを眺めながら気持ちよく弾きました。
今回のオーケストラは、通常の西洋楽器に中国伝統楽器が加わったハイブリッド型。吹奏セクションは充実していたので、私は人数の不足している弦5部と打楽器を担当することに。事前に渡された総譜を徹底的に研究して、中国の方々が聞いても自然に受け入れられるニュアンスを出せるよう、準備したつもりです。
ところが、現場というのは思い通りにいかないことの方が多いもの。想定外の表現に調和するのがやっと。好きになった有名作品を歌うように思いきって弾けなかったのは残念ですが、久しぶりのオケ中演奏を満喫しました。