シリーズ3回目となる1×1=∞は、ソプラノ歌手の平野雅世さんをお迎えして開催しました。
プッチーニと猫をこよなく愛する平野さんならではのオールプッチーニアリアは、シンプルなステージセッティングとは対照的にどこまでもドラマチック。本番のみに出現する迫真の演唱は、傍らで演奏する私をも圧倒し、会場全体をオペラの世界へと引き込みました。
プッチーニの全12作品から、1曲または2曲のアリアをピックアップした全16曲。2時間でプッチーニの生涯と音楽を駆け足で追ったわけですが、作品ごとに瞬時に人格を入れ替えて、その境遇に身をおく様子は、マジックを見るかのようでした。
残念ながらお客様は少なかったのですが、「おひとり3人分の拍手を」とのお願いに、ひとり5人分の盛大な拍手をいただきまして、終演後は皆さま口々に手が痛いとおっしゃりながらお帰りだったとうかがっております。
アンコールは「誰も寝てはならぬ」。エレクトーン独奏でお送りしようと思っていましたが、リハーサル時に飛び入りで歌ってくれたのが素晴らしかったので、本番でも平野さんに加わっていただき、おおいに盛り上がりました。
ステージ写真の表情が当日の様子を物語っておりますので、私のつたない言葉よりもギャラリーでお楽しみください。
これで本年の首都圏での公演はすべて終了しました。リサイタルを筆頭に、数々の公演を支えていただき、ありがとうございました。
来年の1×1=∞は11月5日、尺八奏者の辻本好美さんをお迎えし、トラディションとコンテンポラリーのミクソロジーを、シリーズ恒例トライアスロン級の本気度でお届けいたします。ご期待ください。