11月20日は1×1=∞シリーズ第3弾を開催します。2019年にアトムの肝入りでスタートしたこのシリーズは、1台のエレクトーンと互角に演じられるパートナー1人をゲストに迎えてお届けする真剣勝負をベースとしており、二人三脚とも一騎討ちとも見える体を張ったパフォーマンスが見どころです。
第1回は米津真浩さんとのダブル協奏曲、第2回は中井智彦さんとの歌芝居と好評を博して来ましたが、第3回目の今回は、何とプッチーニの全作品を網羅して、ひとりで16曲のアリアを歌うという、ギネスチャレンジ級の企画をお届けします。
歌うは平野雅世さん。ご自身のCDを作成するに当たり、さまざまな方法を調べている時に私のエレクトーンに触れビビッと来て、知人をたどりコンタクトしてくれたのが出会いでした。
平野さんと言えば関西を中心に活躍し、ご自身でオーケストラを用いたオペラ公演を主催するほどの行動派かつ実力者。特にプッチーニ作品を愛し得意とすることで知られるソプラノ歌手です。
本当にその平野さんが私の演奏を求めてくれているの?と最初は疑いました。直接ご連絡を取り、ホンモノと理解してからは、トントン拍子に話が進み、CD収録で演奏を担当させていただくことに決定。
演奏会が軒並みキャンセルになった空き時間を転用し、丁寧な準備をして収録にのぞみました。平野さんのお仲間も気持ちのいい方ばかりですし、録音エンジニアが非常に熱心かつ優秀で、黙って聞かせたらエレクトーンとは思えないようなCDが仕上がりました。
収録しながら、次の豊洲は平野さんでと決めていましたが、アトムにも相談しなければいけません。アトムに考えを伝えると、瞬時に「いいですね」と決定。東京のリハーサル時に紹介し、歌を聞いてもらっていたので、当日のステージが想像できると喜んでくれました。
プッチーニの12作品を若い順に紹介しながら、珠玉の名アリアを16曲。演技派でもある平野さんは、ヒロインそれぞれのキャラクターを演じ分けながら、プッチーニ作品の魅力をどこまでも深く掘り下げていきます。
華やかで、さまざまな動機や背景描写が巧みに取り入れられている管弦楽パートは、単なる伴奏ではなく、極めて重要な役割を持っており、歌と互角の存在感があるので、大きなやりがいがあります。歌に合わせるというより、むしろ波を作って歌を上手く泳がせるくらいの感覚でしょうか。ぜひその手腕にもご注目ください。
リサイタルが終わったばかりではありますが、過日の舞台をよかったよとお感じくださった皆さま、残念ながらご来場になれなかった皆さま、ぜひこの機会にご鑑賞いただけないでしょうか。東京での演奏会はこれが今年最後。第九もジルベスターも声が掛かりませんでしたので、そのぶん来年に向けて皆さまに幸多かれと願い、精一杯の演奏をお届けいたします。
2021年11月20日(土)14:00開演
豊洲シビックセンターホール
イタリア語歌唱/日本語字幕付き
全席指定 5000円
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