10月の最終週は、昨年に続き学校訪問コンサートで長崎県を巡回しました。『神田将エレクトーンアンサンブル』と題したこの番組は、波多江史朗(サクソフォン)、石川昇平(パーカッション)、米津真浩(ピアノ)という豪華メンバーとともに、全員が主役になれる選曲と進行で、子どもも先生も一緒に楽しめると大好評です。
エレクトーンがメンバーの一員として活躍する企画はたくさんありますが、このように番組に名前を冠することはそう多くありません。それだけに責任は大きく、私はメンバーの世話役としての立場を、自身の演奏と同じくらい大切にしています。
学校訪問コンサートというのは、一般の公演に比べて簡易的で楽なものとのイメージがあるかもしれませんが、実際はこれほどハードなものはありません。
演奏環境は毎回異なり、現場に到着してから限られた短時間で準備をし、終演後は直ちに撤収して出発します。時には演奏に不都合な状況に直面することもありますが、臨機応変知恵を絞ってなんとかくぐり抜けてきました。
そして演奏は真剣そのもの。迫真の演奏で消耗するだけでなく、長距離の移動やエコノミーな宿などの影響もあり、体力が回復する前に必ず次の本番がやってくる毎日は、さながら何かの訓練のようです。それでも、メンバーの質の高さや子どもたちの熱狂的な反応から得られる達成感は極めて大きく、どんなに苦しくても終われば次の機会を待ち侘びてしまうのです。
しかし、老兵がどんなに張り切っても、若いパワーにはかないません。メンバーはまだまだ一緒にと言ってくれますが、なんとなく足かせになっている感はぬぐえず、そろそろ若い者たちに任せる時が来たのだろうと考えています。
世代交代は必ずやってきます。それを見越して、今回は菊池玲那をアシスタントとしてツアーに参加させました。でも見ているばかりでは感覚はつかめません。最初はソロ一曲から。次はアンコールも。そして体験コーナー。最終日にはフル出演するまでになったばかりか、さらにエージェントの代役も経験し、弾く立場と弾かせる立場の両方を一度にやり遂げました。たいしたものです。
今回もすべての学校で忘れがたい思い出をもらいました。あといくつの学校を訪ねられるでしょうか。ひとつひとつの出会いを大切にしたいと思います。
【重要】10月31日から11月1日にかけて、神田将公式サイトYKsonic Webはサーバーに問題が発生したため閲覧できない状況でした。その間メールの送受信もできませんでした。ご迷惑をお掛けいたしましたことをお詫び申しあげます。現在は復旧しております。