15年目の学校巡回演奏会

15年前から参加している学校巡回コンサート。今週は茨城県笠間市内の小学校4校を訪ね、3日間で6回のコンサートを開催しました。初の笠間市、そして4年ぶりとなるエレクトーンソロだったこともあり、すべてが新鮮で思い出深い日々でした。

みんなの前に歩み出る瞬間から始まる出会いのストーリー。こんな髭面のおじさんをキラキラした目で見てくれる子どもたち。演奏が始まると、ワクワクが膨らんで、思わず歓声が上がることもしばしば。弾いて、対話して、あっという間の60分は、まさに魔法のひとときです。

演奏プログラムの中に、子ども向きの作品はひとつもありません。自分自身が手を抜けるような場面を一切作らないために、全力投球が必要な作品で埋め尽くしています。その代わり、音楽は表情が多彩で緩急に富んだ構成に。エレクトーンに触れてもらったり、全員で体験をしたり、子どもが主役になる時間を設けたりと、盛りだくさんです。

たいへん密度の高い60分を1日2回。途中、移動を伴うことも少なくありません。それでも毎回とても清々しい気持ちが満ち溢れ、最高に前向きになれるのです。今回も音楽を届けるつもりで出向いたのに、子どもたちから自信を授かって帰ってきました。

ビジネスホテルでの滞在(死ぬほどタバコ臭い禁煙室や、気温10度なのに冷房しかありませんなど)も年齢的にだんだんキツくなってきましたので、いつまで続けられるのかわかりませんが、いつまでも携わっていたいと願っています。

さあ、明日はタクト音楽祭。これほどチャレンジ精神が求められるステージは他にありません。そしてどんな演奏会より恐ろしいです。残された時間、通常ならば稽古を重ねることが多いのですが、タクト音楽祭に限っては、瞑想に時間を割き、更には音楽の守護神にひたすら祈るのみです。もし私を、いえ演奏する音楽を救っていただけるなら、ぜひ浅草東洋館にお越しください。皆さまのリアルな眼差しこそが守護神です。