1月31日、かごしま食の大交流会 in TOKYO~鹿児島の夕べ~が、セルリアンタワー東急ホテルで開催され、霧島国際音楽祭PRのため、エレクトーン演奏をさせていただきました。
あまり詳しい説明を聞かず、ちょっとしたパーティの余興だと思い込んで、気楽に出かけたところ、会場に着くなりそのスケールの大きさにびっくり仰天。控室には、それぞれ有名人が名を連ねており、私なんて場違いじゃないの?と気が引けました。
メイン会場は鹿児島一色に装飾され、渋谷にいることを忘れそうになります。西郷さんの像に迎えられてボールルームに入ると、ずらりと並んだ焼酎、工芸品、菜の花に囲まれたステージ、そして、鹿児島の食のすべてを紹介する料理の準備が着々と進められています。
粛々と進んでいくリハーサルを見ながら、ここでの自分の役割を今一度思い起こし、それをどのように果たすかを練り直しました。一番気になるのはやはり音響です。ボールルームの天井に埋め込まれたスピーカーから聞こえてくる音を聞いている限り、私の理想とは程遠い音質です。でも、多くの出し物があり、リハーサルの時間も必要最低限ですので、あれこれ試すわけにもいかないでしょう。
私のリハーサル時間となり、ステージにエレクトーンが運び込まれました。演奏終了後、1分以内にエレクトーンを舞台から降ろす必要があるため、少しでも軽くしようと、本体のスピーカーは外してあります。まずは、監督のプラン通り、天井スピーカーと、ステージサイドモニターの音で、弾いてみました。
正直、非常に弾きにくいです。モニターの音は、低音をカットしてあるので、コントラバスやティンパニがさぼっているオーケストラみたい。他の音はどれもヒステリックに鳴り、弾いていて泣きたくなります。でも、それは私自身の問題。お客様が違和感なくお楽しみいただけるなら、それで構いませんし、イベント全体のことを考えれば、これがベストなのです。
それでも心の中で苦しかったのは、霧島国際のPRが目的だから。クラシック音楽の魅力が伝わなければ、私は役目を果たしたことになりません。それには、自然な音色は欠かせないと思い、直前まで工夫を重ねて音作りをしてきた努力も、あまり意味を成さず、改めて、電子楽器で「音楽」を構築することの難しさを痛感しました。
ドアオープンの時間になると、県知事たちがお客様をお出迎え。広いボールルームはたちまち人で埋め尽くされました。私の出番は最初。2分押しで紹介され、演奏スタート。持ち時間は20分ですが、定刻で次に引き渡すため、2分巻きで進めました。
音楽会ではありませんし、威圧感があるほどに多くのお客様が来場しているので、静粛に耳を傾けてもらえはしませんが、覚悟していたよりはずっと、聞いてくれているという実感がありましたし、弾くことに集中できてよかったです。
弾き終わったら、私もお客様にまざって、鹿児島の食を満喫。といきたいところでしたが、しばらく様子を見て、残り物をいただくことに。料理を眺めているだけでも、わくわくします。やはり大人気なのは、鹿児島牛のステーキで、常に大行列ができていました。
会場内を歩いていると、あちこちでお客様から声をかけていただき、とてもうれしかったです。参加されているのは立派な方たちばかりで、とても社交的。ますます鹿児島が身近に感じられ、もっと好きになりました。