TABLE FOR TWO in Kobe

23日。春まっただ中を思わせる陽気に誘われて、神戸の街をそぞろ歩いてきました。
私にとっては、街中いたるところに懐かしさが溢れているのですが、
時間が限られていたので、滞在中のホテル周辺を主に散策しました。

まずはメリケンパーク。
神戸に住んでいたころは、あまり訪れることがありませんでした。
港を望む広い公園では、人々が穏やかな日差しを浴びながらくつろいでいますが、その一角に15年前の震災の記憶をとどめている場所があります。

大きく傾いた街灯や、波打ち、瓦礫と化した路面が今もそのまま残されていて、広島の原爆ドーム同様に、その日ここで起こったことを強く強く物語っていました。幾多の人の無念を思うと、胸が張り裂けそうです。
だのに、振り返れば痛いほどに和やかな公園。
しばらく立ちすくんだまま、ただ風の声を聞いていました。

その後はハーバーランドを一回りし、旧居留地へ。
古い建物の風格と近代的設備が美しく調和したこの地域には、オフィスに溶け込むようにして世界的なブランドショップが立ち並びます。
シャレたカフェもどの店に入ろうか迷うほどに充実しているので、散策にはぴったり。
横浜の山下町にも似ていますが、上海の外灘と新天地を合体させたような雰囲気でもあります。

この地にはかつて1870年以来の歴史を持つオリエンタルホテルがありましたが、先の震災で全壊してしまいました。
その同じ地に3月3日、新しいオリエンタルホテルがオープン予定です。

またひとつの歴史が動き出すんですね。どんなホテルになるのか楽しみです。

時計を見るとちょうどお昼どき。どこかでランチでもと思いましたが、サイフも持たずに出てきたので、滞在中のホテルに戻ることにしました。
そして軽くカジュアルに済ませるために、カフェレストランに入りました。
店先のメニューには手ごろなランチセットが紹介されていて、ビーフカツレツとチキングリルの盛り合わせが美味しそうだったので、それを注文する心づもりで席に着きました。

でも、渡されたメニューを一通り眺めることに。
開いていくと、パウチして中に挟み込まれた1枚のメニューが目に留まりました。

そこには「TABLE FOR TWO」の赤い文字が。
TABLE FOR TWOとは、発展途上国の子供への食糧援助に参加しながら、同時に自分自身のカロリーオーバーにも効果が期待できる、一石二鳥のプログラムで、以前から注目していました。
でも、実際にそのプログラムに参加しているメニューには、なかなかお目にかかれません。

ホテルオークラ神戸の「カフェレストランカメリア」では、1,890円(別途サービス料10%)で、TABLE FOR TWOのランチセットを提供しています。
すべての料理を食べても700キロカロリー台とヘルシーな内容ながら、味にも妥協はありませんでした。

メインディッシュの「ノルウェーサーモンと大根のポッシェ」は、フレンチレストランで提供しても違和感のない出来栄え。菜の花を使ったという軽やかなソースが今日の天気にもピッタリです。こんな社会貢献なら、気軽にできそうですね。

隣のテーブルでは最初目を付けていた例の盛り合わせを注文していました。
運ばれてきたのを見てびっくり。カツレツもチキンも、ハーフずつではなくて、大きいのがドカ~ンと載っています。ありゃ、2000キロカロリーコースだな。回避して正解だったかも。