エレクトーンデーダづくり

いよいよ四国滞在最後の夜を迎えました。
初めての四国ステイが6日間に及ぶとは想像もしていませんでしたが、体調不良あり、新しい発見あり、泥沼の仕込みありと、盛りだくさんの退屈しない日々でした。
これからも足を運ぶ機会はたくさんあると思いますが、「初めての滞在」は二度とできませんので、それだけ深く思い出に刻まれました。

前日から今日の午前中にかけて、予定していた曲をすべて仕上げられたので、あとはエレクトーンデータの作成と、皆さまにお聞かせできるクオリティになるまでの稽古を残すのみとなりました。
現地で楽器をお借りすることができたので、午後からは集中して楽器に向かうことにしました。

それに先立ち、ランチタイムの腹ごしらえ。
ロードサイドにある、なにやらシャトーのようなレストランに立ち寄りました。
店先にはオーストリアの国旗がはためいており、さながらウィーンの雰囲気。

店の名前は「shika」とあり、ドイツ語なのだろうかと思ったら、素直に「鹿」をイメージしているそうで、店の脇にはなんと本物の鹿がいました。

おなかいっぱいになったところで、鹿にも挨拶をして、楽器の元へと向かいました。

いざ楽器に向かったら、仕上げた編曲譜とオーケストラスコアを見ながら、エレクトーン用のデータを作成していきます。
スコアで編成を確認し、どの部分からどの楽器が加わり抜けて行くのかを、ひとつも見落とさないよう注意を払い、編曲譜に沿って音色を割り当ていきます。
エレクトーン演奏では、1曲の中にも、さまざまな音色の組み合わせを作り、次々にその組み合わせを呼び出しながら音を変えていきますが、5分程度の曲でも、多い場合は200以上の組み合わせが必要になります。
この組み合わせをたったひとつ作成するにも、響きを確かめたり、微妙なコンディションの調整が必要ですし、場合によっては音色そのものを新たに作らなければならないので、ひとつにつき数分から、長い時は数十分掛かります。
それを数百も作らなければならないのですから、気が遠くなる作業ですし、よく頭を整理しながら進めなければなりません。

なので、この作業をスタートしたら、なるべく集中力を切らさないようにして、安定した作業効率で、かつ平常心で進めることが大切です。

とりあえず、今日は6時間の作業時間の中で、どうしても仕上げなければならなかった曲については終えることができました。
少し時間が余ったので、願わくば進めておきたかった曲にも、手を付けることができました。

ご心配をおかけしましたが、とりあえず、峠は越えています。

その後は、4月29日のコンサートでお世話になっているファミリーと、私が尊敬しているベテランエレクトーン講師とともに、カジュアルなイタリアンの店で夕食を楽しみました。

食事中は楽しい話題がほとんどでしたが、「今、子供たちに何を伝え与えるべきか」についても、深く掘り下げて思いをぶつけあうことができ、とても有意義な時間を持てました。
テクニックを磨くばかりでなく、いかに精神性をはぐくみ、命ある音楽を奏でるか。それに気付かせ、実現させてやれるよう、私たちも努力し続けようと話しあいました。

今日もまた、四国の思い出が増え、もう私のハートにある四国の日記帳は余白がないくらいにたっぷりと詰まっています。
次回はまた、大きな真っ白い日記帳を心に持って訪れたいと思います。

明日はいよいよ、東京です。たぶん・・・