日曜日。関西はあいにくの雨でしたが、5月20日のコンサートを開催してくれた和歌山の宮井楽器におじゃまして、コンクールを控えた12人の生徒さんたちにひとりひとり稽古をつけてきました。
今回の受講生は小学低学年から大学3年生まで年齢が幅広く、選曲もバラエティーに富んでいました。
私が知らない曲もたくさんありましたが、日本人作曲家の作品を取り上げている人が多く、中でも三善晃先生や芥川也寸志先生の作品が聴けたことは、新鮮な驚きでした。
皆さん、それぞれに生き生きとエネルギッシュな演奏を聞かせてくれ、どの人にも入賞のチャンスがあるように感じますが、実際にコマを進めることができるのは、ごく一部。ちょっとした気の緩みや、音楽的な処理の甘さが出来栄えに影響するような、なかなかレベルの高い戦いになりそうです。
そんな中、考えさせられたのは、自然で美しいフレーズの処理。特に抑揚のつけかたと、フレーズの終わりでの音の抜き方を習得させるのは、容易でありませんでした。
縦の線を合わせることに気を取られ、滑らかな流れがおろそかになるケースも多く見受けられました。
また、楽器に向かう姿勢からも、洗練に欠ける様子がうかがえるので、適切なイスの位置をもう一度考え、安定した重心を確保しながら、見栄えのいい姿勢で、無駄のない動作で演奏するよう心がけたいものです。
12人で約11時間の長丁場でしたが、私は疲れ知らず。もっと皆さんの演奏を聞いていたい気分でした。担当の講師さんも非常に優秀で、日ごろから子供たちに適切な接し方をしていることがよくわかりました。
楽器店の担当者たちや日ごろの先生と私とで手をたずさえ、なんとかまた和歌山をエレクトーンで盛り上げたいものです。今日は皆さんにその素質ありとわかりましたので、今後の展開がとても楽しみになりました。
レッスン終了後は担当者の方々と近くのリストランテで、将来の展望を熱く語り合いました。これらが夢物語でなく、必ず現実のものとなるよう、着実に進めて行きたいと思っています。