12人連続レッスンから一夜明け、いつも通り早朝に目覚めた私は、ベッドから起き上がると、まずは今朝の天気を知りたいと思い、ホテルの窓から外を眺めました。
薄曇りでしたが雨は上がり、夜には見えなかった和歌山城周辺の緑が窓いっぱいに広がり、朝つゆをなでた空気を吸いにおいでよと手招きしているようでした。
早速ランニングウエアに着替え、いざ走りに出ようとかばんにあるはずの靴を探しましたが見当たりません。そうか、しまった。今回はスーツケースではなくアンティークのボストンバッグ「ロエベちゃん」で出てきたので、靴を入れてこなかったのでした。
革靴で砂利道を歩くのはかなりの抵抗がありますが、あとで丁寧にメンテナンスしてやることにして、ランニングは取りやめたものの、意を決してカメラ片手に散歩に出かけました。
気温はまずまず。薄日が差すこともあり、散歩には好都合です。
鯉や亀がのんびりと泳ぐ堀を渡り、大手門から城内へ進むと、まっすぐに延びる石畳があり、石垣の上には巨大な樟樹が立ち、ありとあらゆる方向に枝を伸ばしているのが印象的でした。
天守に通じる裏坂は広く、すり減った石が歴史を感じさせます。日陰の少し湿った朝の空気が、とてもいい香りを放っていました。
つづら折りの坂道を上がりきると、和歌山市内を一望する虎伏山の頂きに達し、一気に視界が広がりました。天守閣は現在外壁の化粧直し中。営業時間内であれば有料で見学可能なようですが、今回は雄姿を見上げてふたたび坂を下りました。
広い城内には公園や動物園があり、史跡も数多く点在していますが、あまり時間がなかったので、ごく一部しか散策できず、後ろ髪ひかれる思いでホテルに戻りました。またゆっくり散策できる機会を持ちたいものです。
和歌山と言えば梅干しやラーメンが有名ですが、和歌山電鐵の「たま駅長」が旬な話題です。
ちょうどホテルのフロントで「たま駅長グッズ」を販売していたので、中でも実用的なクリアファイルを在庫があるだけ全部買ってきました。駅長というだけでなく「Sir」の称号まで与えられた「たま卿」。正装姿もりりしく、あっぱれです。