先月にはアスパラ尽くしのディナーを満喫した「ジランドール」。今回は日常のランチタイムに、気楽な食事を楽しむことにしました。
160席もある大きなレストランですので、13時過ぎなら満席ではないだろうと思いましたが、一応、電話で予約。対応した女性は、名乗るとすぐにわかったようで、スムーズに話が済みました。
店先でにこやかに出迎えたレセプショニストは、今日も2か所の席を用意して待っていました。窓際の眺めのいい席と、こぢんまりとしたブース席。どちらも魅力的ですが、今回はブース席を選びました。
店名の由来にもなっている店先のジランドール(飾り枝付きの燭台)には季節の花がディスプレイされ、店内からは食事を楽しむ人の活気が店の外まで溢れていますが、ブース席はとても落ち着いた雰囲気。様々なエクスリブリス(蔵書票)が席の傍らに掲げられ、インテリアの役を担っています。
平日のランチタイムには手軽なセットメニューがありますが、週末はプリフィクススタイルコースとアラカルト。コースは2皿3,520円、3皿4,400円、4皿5,280円で、いずれの場合にも食後の飲み物がセットになっています。
今回はちょっとお腹が空いていたので、4品コースを選び、前菜、スープ、メインディッシュ、デザートの各カテゴリーから1品ずつチョイスしました。
前菜はニース風サラダ。アンチョビの風味が効いた炙りマグロが印象的。
スープはオニオングラタンスープ。クラシカルで懐かしい味わいです。玉ねぎの甘みと、とろ~りチーズがたまりません。
メインディッシュはグリルチキン。岩手産の鶏モモ肉を香ばしく焼きあげ、スパイシーなアジアンラタトゥイユを添えています。熱々ジューシーでした。
デザートは桃のジュレを添えたパンナコッタ。カクテルグラスに入ってくるデザートは「ジランドール」の定番です。
コーヒー。
料理の素材や内容はブラッセリー的でカジュアルですが、丁寧で上品に調理されたベストな料理が提供されるので、ちょっとしたおもてなしならば、お客様に振舞ってもいいかもしれません。
食事中、ホール席から何度も聞こえてきたのがハッピーバースデーの歌。この店では、誕生日を祝う食事会がとても多いようです。
でも、従業員たちのへたくそな歌が店中に響くのは、正直食事がまずくなるので迷惑です。ひと様のお祝いに水を差すつもりはありませんが、私なら周囲を巻き込むのであれば、店にいる全員に一杯おごるなどの礼儀を尽くします。
そもそも、店員はテーブルの主役やそのゲストに対し、スムーズに食事が進むように行き届いたサービスをするのが役目。誕生日を祝うのも、恋人に告白するのも、客席という舞台で繰り広げられること。それらは客という演者が取り仕切るべきことであって、店員という裏方が舞台で幅を利かせるのは筋違いでしょう。
ゆきずりの他人にその場限りの祝福をねだるより、親友や肉親に心底祝ってもらえる人間であるよう心がけたいものです。