ラ・パレット プレミアサロンコンサート

バレンタインデーを目前に控えたこの日、恒例のサロンコンサートが開催されました。昨年は3月にソプラノの伊藤真友美さんをゲストにお迎えして、ウィーンの雰囲気をお届けしましたが、今回は「至上の愛を奏でる男」。愛に満ちた名曲ぞろいのプログラムをご用意しました。

朝4時に目覚め、まずは11日の演奏曲を稽古。結局ギリギリまで続けてしまい、慌てて家を出ることに。でも、よく晴れて、なんだか暖か。サロンコンサート日和です。ラ・パレットのかわいらしい外観も青空によく映えます。

店に着いた時、ちょうどエレクトーンが搬入され、スピーカーの設置が行われていました。店のスタッフによるテーブルセッティングも進んでいます。

楽器の準備が整ったところで、早速今日のプログラムを弾いてみました。お客様が入るまで1時間足らずですので、次々と弾いて感触を確かめます。久しぶりのサロンコンサートなので、独特の響きに慣れるまで時間を要しました。

11時半。昼の部をご予約のお客様が続々と到着し、店内は一気に賑やかになりました。席についたお客様より、ウェルカムドリンクとお料理のサービスが始まります。

お食事タイムは約1時間半。これは決まっているわけではありません。様子を見ながら、皆さんのデザートが一通り出そろったところで、演奏をスタートします。まずは店のマネジャーから挨拶。そして、演奏に入ります。

それまでおしゃべりで賑わっていた店内が、一瞬で音楽の世界に。お客様も慣れたもので、思い思いにイスの向きを変え、リラックスしながらそれぞれの音楽世界に浸っていました。

至近距離にお客様がいらっしゃる場合、時には演奏しにくいと感じることもありますが、今回は店内が一体になった感じがあり、弾きやすく思いました。

あっという間に8曲を弾き終え、次いでアンコール。ステージと違って、気取ったおしゃべりがしにくく、いつも以上にフランクな雰囲気でお届けした昼の部も無事に終わりました。

フォトグラファーの日野真理子さんと。

帰り際のお客様と会話を交わすと、今回初めてご来店になったお客様が多いことに気付きました。遠方からはるばるお越しの方も。今日の演奏テーマをイメージしてアレンジしてもらったという花も届きました。

夜の部までには3時間半ほどありますが、私は着替えも休憩もせず、ひたすら11日の演奏曲を稽古し続けました。弾いても弾いてもまだ納得がいきません。そうこうしているうちに、夜の部のお客様がやってきました。

お客様がお食事を楽しんでいる間に、私は控室でしばしの休憩。でも、テンションが落ちてしまわないよう気をつけます。

夜はお客様の数も少なめでしたが、その分、夜らしいしっとりとして落ち着いた雰囲気に。やはりこの夜のムードはいいものです。

より濃密な曲に一部プログラムを変更し、ちょっぴりオトナの香り漂うコンサートも無事終了。お客様も演奏と食事の余韻を胸に、心地よくお帰りいただけようでホッとしました。

最近はパレットのサロンコンサートも年に一回のペース。以前は季節ごとに4回のシリーズで開催したこともありました。

お客様が近い環境での演奏スタイルや、くつろいだ雰囲気の演出法はもちろんですが、私の軽妙なトークはこのサロンコンサートを通じて磨いたものです。もしラパレットでの演奏がなかったら、私はステージで今なおダンマリを決め込んでいるかもしれません。

小さな会場での経験は、不思議なことに大舞台でとても役に立っています。私のスタイルの原点とも言うべきプレミアサロンコンサート。少なくとも年に1回は続けていきたいと思います。どうぞ次回にご期待下さい。