ブルースカイヨコハマ

昨晩は久しぶりの横浜ステイ。眩しい太陽が爽やかな目覚めを届けてくれ、強い風に向かって港の周りを走り抜けると、ふさいだ気分も一緒にどこかへ飛び去ってしまいました。空に向かって両手を広げ、思い切り高くジャンプしてみたり。体を動かすと、パワーが湧いてきます。

横浜港大桟橋の近くには「象の鼻」と呼ばれる防波堤があります。ここは横浜港のルーツのような場所。以前は名前の通り、象の鼻のようカーブした長い防波堤でしたが、かつて「鼻の付け根」に近かったところが大桟橋と合体して、やや短い鼻になりました。

この日本丸の右側に丸く写っているのが、「象の鼻の先っぽ」です。私が立っていたのは、象の鼻パーク。そこには象の鼻テラスという建物があり、その中には象の鼻カフェがあります。

象の鼻カフェでは、象をモチーフにしたフードやスイーツを扱っています。私の一番のお気に入りは「ゾウノハナソフトクリーム」。ゾウ好きでソフトクリームファンの私にはたまらないアイテムです。

毎回違った表情を見せてくれるゾウノハナソフト。今日はのんびりとリラックスした顔でした。

さて、午後からは鶴見に新しくオープンしたサルビアホールで開催された、サイ・イエングアンさんの演奏会を鑑賞しました。

昨年の5月に共演して以来、何度か再演のお誘いもいただきながら、互いのスケジュールが合わず、なかなか実現できずにいるのですが、今日は純粋にひとりのリスナーとして、客席で楽しませてもらいました。

何度聞いても、何度見ても、本当に素晴らしくて溜息がでるほどです。オペラアリアは圧巻。細やかな表現や確かなテクニックは、色あせるどころか更に洗練を極めていました。

その中に、とても迷惑な観客がいました。客ということばを当てはめたくもないほどです。アリアの途中で場内に入ってきたかと思えば、靴音を響かせて最前列まで行き、ふてぶてしい態度で足を投げ出して座りました。

その後もそわそわと落ち着かず、荷物をいじったり、足を何度も組み直したり。それだけならまだしも、場内から出たり入ったり、その度に会場の集中が途切れてしまいます。

しまいには、アリアの繊細な美しさが際立つところで、それを断ち切るように席を立ち、訳のわからない身ぶりをして、会場から出ていきました。

まあ、出て行ってくれたのは結構なのですが、せっかくの芸術の価値を少なからず傷つけたのは事実です。まったくドブネズミ以下でした。

でも、他のお客様は素晴らしかった。これほど迷惑な人に動じることなく、サイさんが作る音楽の世界に、皆さん酔いしれていました。そしてサイさんもまた素晴らしい。少しも影響されることなく、ご自身の音楽を貫きました。

私に同じことが起こったら、サイさんのように堂々としていられるだろうか。またひとつ超えるべき大きな課題を与えてもらいました。

若いピアニストの泉さんも見事でした。伴奏とはいえ、難曲続きですし、深い音楽表現を要求される作品ばかりでしたので、楽ではなかったはずです。ご自身のリサイタルは震災の影響で延期になったと伺いましたが、改めて実施させるリサイタルが大成功するよう願っています。