5月5日。小浜島から西表島を目指して船に乗り込みました。空の半分は夏の青空。残り半分は厚い雲。
雨の島というイメージの強い西表島は、やはり雲に覆われているようですが、熱帯のスコールでも浴びたい気分。雲を追い掛けることにしましょう。
西表島の大原港に着いたら、すぐにバスに乗りました。集落にひとつだけの信号を曲がり、あとはひたすら道なりに。バスはのんびりと進んでいきます。思いのほか道がよく整備されていて驚きましたが、これは主にイリオモテヤマネコなど希少動物の保護を目的としているのだそうです。バスの運転手さんも「ネコ様様だよ」と繰り返していました。
バスを降りたら、由布島へ渡る水牛車を目指します。由布島にはかつて集落があったそうですが、40年以上前の大型台風で全壊し、島民は西表に居を移したと聞きました。
今、由布島は観光スポットとして知られるようになり、特に海を渡る水牛車は、八重山を象徴する風景です。
回送なら楽かもしれないけど、満載はきついだろうなぁ。
小雨の降る中、水牛車は海へ。客車部分はリアカーに屋根を付けたような感じの素朴さ。この車を牽いているのは、12歳の水牛「慎太郎」。
慎太郎を操るおじさんは、特別な合図を送っているようには見えませんが、「慎太郎、そら、いけ~」という声に反応して、のっしりと動きだしました。
途中、にわかに立ち止まったり、急に用を足したりと、自由気ままに見える慎太郎ですが、しっかりと安全航行に努めています。おじさんは、やおら三線を取りだし、「安里屋ユンタ」を披露してくれました。
由布島には、亜熱帯の植物が生い茂り、花々も咲き乱れています。蝶々園もあって、ちょうどオオゴマダラが羽化する瞬間を見ることができました。その右にある黄金色のがサナギです。
また、水牛池には、本日「非番」やデビュー前の水牛にまじって、産まれたばかりの仔牛の姿がありました。
再び水牛車に揺られて西表島に戻り、今度は仲間川のマングローブを船から眺めます。本当はカヌーに乗りたかったのですが、それには十分な時間が必要とのことで、今回は断念。
船にはエンジンがありますが、カヌーは人力なので、余計な音のない、自然ならではの世界を実感できるはずです。次回はきっと・・・
上流まで行き、折り返して戻ってくる頃、青空が見え始めました。うっそうとしたダークグリーンのジャングルと、ブルースカイのコントラストは、どこかワイルドな心をくすぐります。
たった数時間の西表島滞在でしたが、インパクトは大。今度は冒険をしに再訪したいものです。
小浜島に戻ると、ちょうどランチタイム。今日の日替わりは海ぶどう丼。
そしてデザートには、到着日から狙っていた黒糖ソフトクリーム。盛り付けが不格好ですが、太っちょな分、大盛りかもしれませんね。ラッキー。
午後からはビーチ!と思っていましたが、雲行きが悪化。しかも、引き潮でビーチは干潟と化しています。でも、デッキチェアに座り、しばらく風を浴びて過ごしました。
干潟が広く、波音すらしないビーチ。風が揺らす葉音しか聞こえません。果てしなく広いのに、ほとんど無音。なんと心地よいことか。1000年でもこうしていられそうでした。