播州から戻ってからも、毎晩外出の約束が続いていますが、それ以外の時間はひたすらエレクトーンに向かっています。しばらくはデータ作成がメイン。丸一日掛けてもたった1小節、時間にして2秒ほど分しか進まない日もあります。昨日がまさにそんな日でした。
単純に縦を揃えるだけなら総譜がどんなに複雑でも1小節に10分と掛かりませんが、作品全体の横の流れを意識しながら音から音へと滑らかな受け渡しを考えていくので、ラインが絡まって答えが見つからなくなることがあります。データ作成はチェスで十数手先を読みながらゲームする感覚に似た頭脳戦で、難所が続くと著しく消耗して疲れます。
そんな時の気晴らしは掃除です。グラスや銀器は使わなくても手入れが必要ですし、靴磨きも気分転換に最適。それもやり尽くすとアイロンがけをおっ始めたりもします。おかげで食器棚とクローゼットはショーケースのようですが、頭の中は取っ散らかったまま。今年はこんな状態が終始続く見込みです。
お送りしたリサイタルのご案内へのお返事も一段落。久しぶりに近況を知らせてくれた人もたくさんいます。お元気で変わりない様子に安心することが多い中、悲しい知らせも続きました。親しく大好きな人が苦労したりつらい状況にあるのを聞くと、深く胸が痛みます。自分が何の役にも立てない無力感のなんと苦いこと。
私は音楽家。とにかく稽古に打ち込んで、少しでもよい演奏をすること。それがささやかでも誰かの希望になれるまで、もっともっとチャレンジします。さあ、涙を拭いて、総譜と鍵盤に集中!