東京で最もダイナミックなホテルレストランといえば、真っ先に思い浮かぶのが、ニューヨークグリル。1994年の開業以来、変わらぬ雰囲気を保ちながらも、料理とサービスは日々進化しており、不動の人気を誇っています。
店があるのはパークハイアット東京の最上階。41階のロビーからレジデンシャルな雰囲気のレセプションエリアをかすめ、スパとレストラン・バー専用のエレベータで一気に52階へ。扉が開けば、目の前に東京魔天楼が広がるというサプライズです。
夜の方がロマンチックで、ふと恋に落ちてしまいそうなムードですが、昼間も眩しいほどの光が差し込み、天空に浮かんでいるような気分です。
レセプショニストに案内されてテーブルへ。途中、オープンキッチンの脇を通ると、色鮮やかだったり、珍しかったり、食材がマーケットのように並ぶ様子や、舞台のように躍動的な料理人たちが放つ熱気を感じることができます。
15日の月曜日は暦的には平日ですが、盆休みを利用して訪れるお客さんも多く、予約で満席。正午を回ったばかりでも、活気が渦巻いていました。この店には、賑わいがよく似合います。
スタイリッシュな洗練と心地よさを同時に極めた店内は、まさにオンリーワンの雰囲気。この店のオープン以来、いくつもの店がここを真似た内装にしましたが、そのひとつとして肩を並べるところはありません。
この完成度には、内装のセンスばかりでなく、スタッフたちのスタイルも大きく貢献しています。レセプショニストを除いて全員が男性。清潔感があり、颯爽とした健康的な振舞いが印象的です。
イケメン揃いですから、やもすれば気取った風にも見えますが、彼等はプロフェッショナル。プライベートの時は親しく接してくれますし、ビジネスのテーブルでは空気のように振舞ってくれるなど、TPOを的確に把握してサービスします。
さて、この日の昼メニューは休日扱いでブランチのみ。グラススパークリングワイン、前菜ブッフェ、メインディッシュ、デザートブッフェ、食後の飲み物がセットで7,260円。メインディッシュは6種類からチョイスでき、ステーキを選んだ場合は、追加料金で肉のアップグレードが可能です。
前菜とデザートは、夜になるとライブ演奏がムードを彩るニューヨークバーのカウンターにずらりと並びます。
ちょうど入店が重なる時間だったこともあり、カウンターには多くのお客さんが列をなしていました。私は並ぶのが嫌いなので、バーのイスに座って空くのを待っていたところ、マネジャーが取り分けてお持ちしましょうと声を掛けてくれました。
ありがたい申し出に遠慮なくお任せ。でも、忙しい時間になるべく手間を掛けさせないために、トマトとモッツァレラだけでいいと伝え、席に戻りました。
ほどなく届けられたのが、こちらのプレート。ああ、キッチンで盛り付けて来てくれたのですね。美しいです。添えられたバジルペーストのオイルをパンに垂らしたらとてもいい味に。
メインディッシュは、5,720円の追加で黒毛和牛サーロインに変更。肉の下にはパンツァネッラ。ソースはシェリーヴィネガーヴィネグレット。さっぱりとした味わいです。
デザートはニューヨークバーに席を移して。ケーキやフルーツがたくさん並んでいますが、それぞれサイズが小さくないので、あれもこれも欲張るとカロリー大幅オーバーになります。
そこで、いつもテーマカラーを決めて、合うものだけでコオーディネートを楽しむことにしています。今日はパッションイエロー。
料理やワインもすべて満足でしたが、一番嬉しかったのは、東京で久しぶりに弾けるような活気に出会ったことです。
スタッフの皆さんは死ぬほど忙しいに違いないのに、笑顔を絶やさず、シャキッとしたサービスを貫いています。その姿に大きな元気をもらいました。どんよりした気分を吹き飛ばしたい時には、ぜひ出掛けてみて下さい。