東京の自宅を午前6時に出発し、現地時間の正午に上海へ到着。そこで、ツァオレイと落ち合って、6時間の乗り継ぎ待ち。そして、何のアナウンスもないまま1時間以上遅れて出発した国内線で、やっと湖南省の張家界へとたどり着きました。
実は、当初同行する予定だったエージェントが急遽来られなくなり、自分がどんな内容のイベントに出演するのかもよく知らず、右も左もわからないまま、中国へ来ました。
今回は私の家族も連れて来たので、子守ならぬ「親守」をしなければならない上、困ったことにそのうちひとりは足を骨折しているという始末。出掛ける前から珍道中確定です。
まあ、これが単なる家族旅行ならご愛嬌なのですが、日本を代表して参加しているのですから、みっともない振舞いはできません。
さて、東京を出てから17時間。やっとホテルに落ち着けると思ったら、張家界空港から会場へと直行するとのこと。疲れたなんて言っている場合ではないようです。
イベントの名称は張家界国際郷村音楽週。ここへ来て、初めて知りました。各国の代表が、その国の持ち味を伝統芸能で表現するというのが趣旨のようですが、なぜ私のエレクトーン演奏が「日本的文化」として紹介されることになったのか、ちょっと不思議。
各国代表は、どこも10名以上のチームで訪れているらしく、私の「ひとりオーケストラ」は当然のごとく最小チームです。初日の開会式だけは、ツァオレイに加わってもらい日中コラボでお届けしますが、その後はソロになります。
各国に用意されたおんぼろ大型バスに乗って会場へ。どんなところかと思ったら、まさに風光明媚だろうと想像される屋外広場。夜はライトアップされていますが、日中には息をのむ光景が広がることでしょう。
到着するなり、すぐにリハーサルをしろとの指示。制限時間は5分。エレクトーンはどこか尋ねると、「持って来たんじゃないのか」と突っ込まれました。
YAMAHAから提供してもらった楽器が届くはずだと答えると、さらに激しい質問攻めに。エレクトーンのことばかりでなく、私は本当に何も知らないのですから、開き直るしかありません。と、そこに楽器が到着。まるで台本があるかのような劇的なタイミングでした。
小雨が降っていたので、楽器へのダメージを考えてリハーサルを中止したかったのですが、とりあえず他のグループを先やってもらい、天候の回復を待ちました。約1時間後、何とか持ち直して楽器を開封し、ステージへ。
音響スタッフに接続を依頼し、ツァオレイと軽く合わせてみると・・・各国の皆さんが、この不思議な楽器に大注目してくれました。
明日の開会式がとても楽しみ。その様子は中国のテレビ番組で全国に生放送されるそうですし、日本とエレクトーンのために、よい演奏をお届けしてしようと張り切っています。
ホテルにチェックインして部屋に落ち着いたのがつい先ほど。日本は午前4時を回った頃です。あと4時間後にはミーティングがあります。病み上がりには少々キツイ再スタートですが、それにふさわしい一日になるような予感です。