玖珠町に来てからというもの、ありがたいことに、演奏会場へ向かう途中や帰り路に、町の名所をあちこち案内してもらっています。
そこで見た風景や感じた空気から得たインスピレーションで当日の演奏プログラムを選び、演奏時にはその光景を思い出しながら弾いています。きっと、これらの風景を熟知した子どもたちにも、私の描くイメージが伝わりやすいことでしょう。
午前と午後の合間に立ち寄ったのは三日月の滝。ここには悲恋の伝説があり、運命に翻弄される男女の言い伝えが今に残されています。
滝の裏手に回ると、オレゴン州の景色のようなゆったりとした眺めが広がります。穏やかな川面が輝き、人工物が一切見えないのがいいと感じました。こんなところでは、のんびり釣りでもして過ごしたいもの。カヌーもいいかもしれません。
午後の演奏会を終えた後には、伐株山に登りました。ふもとから見ると、まるで巨木を倒したあとの伐り株のように見えることから名づけられ、この山にも伝説があるそうです。
山に登ると、玖珠町を一望する見事な眺めが待っていました。ここにはかつて城や寺もあったのだとか。今は人の気配もありませんが、時の経つのを忘れるほど、心地よい場所でした。
明日で玖珠町巡回公演も最終日です。午前、午後の学校公演の後は、くすまちメルサンホールでのコンサート。一日に3ステージですので、体力配分に注意が必要です。すべてのステージでのびのびと楽しく演奏したいと思います。