心地よい緊張感に始まり、のびのびと楽しい気分で終わったSongs from My Heart。この上なくシンプルな子守唄からスリリングなコンチェルトまで、幅広い音楽を気持ちよく奏でられたコンサートでした。
今朝は10時に会場に入り、楽屋の準備を整えたら、すぐに裏のスタジオでピアノの稽古。12時半からのリハーサルに備えます。11時半には一度切り上げ、受付を担当するTANEちゃんとランチをしながら打ち合わせをしました。
予定通り、12時半より通しのリハーサルがスタート。私のソロ演奏以外を、一通り合わせていきます。どの曲も好感触で、いいコンサートになりそうな予感。
いつもなら、私もギリギリまで弾いて、開場してからも裏のスタジオで開演ギリギリまで弾きこむのですが、今日は通しリハーサルの終わりとともに楽屋に戻りました。
このシリーズでは、演奏曲が多岐に渡り、相手も複数のため、すべての曲が頭に入り、かつ体に馴染むまで弾きこむことができずに本番を迎えることが多かったのですが、今回は比較的早い段階で不安要素をクリアできました。
といっても、これで行けそうだと実感できたのは、前日の夜になってからです。少なくとも、第九を終えて帰途に着いた時には、23日が来るのが怖くて仕方ありませんでした。
ここ数日を振り返ってみると、以前よりも集中力が増し、効率も上がっています。もう老化現象で衰える一方かと思っていたのですが、まだ大丈夫かもしれません。
ともあれ、開場時間前には楽屋に落ち着き、コンサートの進行やトークの内容を確認しながら、穏やかな気持ちで本番を迎えました。
年末の慌しい時期だというのに、ほぼ満席のお客様にご来場いただき、コンサートへのモチベーションを大きく後押ししてもらいながら演奏スタート。
私のソロの後は、姫スタイルにドレスアップした中安さんの登場。懐かしい日本の歌を、情感たっぷりに歌います。途中のトークもいい感じでした。
続いては伊藤さん。シューベルトのアヴェマリアの後は、子守唄が4曲続きます。
エレクトーンでは多彩な音が出せますが、あえてハープだけとか、オーボエだけといったシンプルな伴奏を。それにより、歌声が際立ち、言葉のひとつひとつが聞き手の心により響いたように思います。
休憩の後、今回初登場の芳賀さんと、フュージョンの軽快なサウンドで盛り上がり、続いてソロのアランフェス協奏曲では、美しい照明が気分を支えてくれました。
そして玉村さん、芳賀さん2本のフルートによるアンサンブルが2作品。エレクトーンならではのユニークな音色でお届けした現代曲と、オペラの主題を使った変奏曲。それぞれにフルートの魅力がたっぷり感じられました。
最後は玉村さんとコンチェルトを。2日前の合わせではまだまだでしたし、直前のリハーサルでもしっくりいかないところがあったのですが、本番はバッチリ。
2曲のアンコールがあって無事終演。久しぶりに弾くことを心底楽しめたコンサートでした。
共演者と気持ちが通っているということも大きいのですが、私の演奏をよく理解して支えてくれるエレクトーンシティのスタッフたちの存在が、私に格別の安心感を与えてくれます。
そして、たくさんのお客様の温かい拍手。それらが私にとって、幸せの象徴です。今日も、たくさんのハッピーをありがとうございました。