2月9日のフォーシーズンズホテル椿山荘東京20周年記念ディナーショーでは、オペラ「椿姫」(ヴェルディ作)のハイライトをお届けします。主要キャストの歌手3人と、エレクトーンによるひとりオーケストラ。このミニマムな編成でオペラの醍醐味をいかにして伝えるかをテーマに、日々練り続けています。
オペラの演奏は大好きですが、今回は特に深い思い入れを持って臨んでいます。今週はすべての時間を、このディナーショーの準備に注ぐことにしました。連日自宅のアトリエにこもって、華やかのオペラの世界を漂っています。
椿姫のハイライトは9年ぶり。過去に用意した楽譜は、旧機種のエレクトーン用に作ったものでしたので、STAGEA用にすべて新しく編曲し直し、レジストレーションデータ(演奏に必要な音色の組み合わせデータ)も一から作り直しました。
ハイライトとは言え、演奏時間は60分に及び、私はまったく気を抜く暇がありません。100枚以上ある楽譜はほぼ完成しましたが、まだ修正を加えながら、よりよい演奏効果を狙います。
そして歌い手から指揮者の役割を果たすようにも言われたので、自分の演奏ばかりを気にかけてはいられなくなりました。
こうして何かに没頭できるというのは、実に幸せなことだとしみじみ思います。何度弾いても新しい発見が尽きない偉大な作品に触れられるのも、大きな歓び。この気持ちを当日は思い切って解き放ちたいものです。